事業所名

合理的配慮事例・27098

業種

卸売業、小売業

従業員数

1,570名

職種・従事作業

在庫管理業務（各店舗、客からの注文を受け、在庫の確認、発送業務等）

障害種別

発達障害

障害の内容・特性

同時に複数のことを処理していくのが苦手。部分には着目できても全体を見渡すことが苦手。対人緊張が強く、コミュニケーションにやや苦手意識あり。とっさの対応が難しい。自身からの表現が少ない。

募集・採用時の合理的配慮

その他の配慮

対象障害者はハローワークからの紹介があり、採用前に実習を実施した。
対象障害者が障害者職業センターの支援を受け作成した面接用のナビゲーションブックを持参したため、面接後、採用担当部署から配置先の部署に対して、ナビゲーションブックをもとに対象障害者の障害特性等について情報提供を行った。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 混乱を避けるため、スタッフの中から、キーパーソンとなる指導担当者を1人定めている。
2. 指導担当者が業務の都合上不在の場合の対応として、部署内で他のスタッフでも対応できるように情報の共有に努めている。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

1. 担当部署で協力しながら時間をかけて工夫し、作業手順を視覚化した対象障害者向けのマニュアルを作成した。
2. 具体的には、在庫確認時のポイントを細かく書いた既存の資料を対象障害者が使えるように視覚化したものであるが、それでも対象障害者が在庫確認できなかった場合は、いつまでも探すのではなく、事務所に戻り報告することを決まりごととした。
3. 商品を探す作業の初期には、指導担当者が同行したが、最初は対象障害者の前を歩き、指導を行い、徐々に後ろを歩く、そして一人で行う等のステップアップを行った。
4. さらに、「見つからなかった」という対象障害者の報告を受けても、代わりに指導担当者が探しに行くのではなく、更に詳しく探すポイントを伝え、対象障害者が最後まで対応することとした。このように、作業の様子を指導担当者が観察し、対象障害者に合った目標値を設定し、仕事の責任感、自立度を高める指導を行った。

作成したマニュアル

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 通院日は予め勤務シフトから外すようにしている。
2. 勤務時間については、例えば一般の職員は朝から夕刻までの勤務時間となるシフトの場合、当人は当初は午前のみ、慣れてきたら午後の一部の時間まで延長、さらに慣れてきたところで通常の時間までするなど、対象障害者に無理がないかを確認した上で、段階的に時間を延長した。
3. 現在は、対象障害者の希望を聴きつつ、他のスタッフが比較的柔軟な対応が可能な、午後勤務を中心に設定している。

感覚過敏を緩和するため、サングラスの着用や耳栓の使用を認める等の対応を行うこと

対象障害者は音に敏感なところがあるため、次のような配慮をした。

1. 店舗での在庫チェックで当初は静かな環境の部署での作業から始め、慣れてきたら徐々に音が大きめの部署へも対応するようにした。
2. 音が大きめの部署へ出る際には、当初、指導担当者も同行するなど様子の確認を行った。
3. 必要に応じてパーテーションを利用し環境を整えることも行った。業務中の急な物音には、過敏に反応することがあるため、指導担当者や周囲のスタッフが必要に応じて声かけを行っている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

面接用のナビゲーションブックをもとに障害特性と業務上の必要な配慮事項についてまとめた資料を作成し、職員全員に配布・周知を行い、指導担当者が不在の場合でも、その資料を見ることで他の人が対象障害者に対して必要な対応を行うことができるようにした。他のフロアにも情報の共有や必要に応じた連絡が行われている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等