募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

対象障害者が在籍していた一般高校の教諭（特別支援学校での勤務経験あり。）、障害者就業・生活支援センターや障害者職業センターの職員に同席してもらい、対象障害者の障害特性や必要な配慮点等について説明を受けた。併せてジョブコーチ支援などの制度について説明を受けた。

その他の配慮

工場内の製造ラインでの採用を考えて実習を行ったが、対象障害者が製造ラインのスピード及び業務内容についていけなかったため、対象障害者ができる仕事として職員休憩室の清掃などを検討し、対象障害者の希望及び適性を考慮した採用職種（清掃業務）に変更した。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

庶務課長がキーパソンとなり、対象障害者の状態を見ながら適宜対応を行った。重度知的障害者対応未経験の現場担当者を育成することも併せて障害者職業センターへジョブコーチの派遣を依頼し、ジョブコーチのアドバイスを得ながら対象障害者への作業指導を行った。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

就労当初は、現場担当者と二人で作業を行い作業可能な業務を見定め、慣れてきたら作業手順書を見ながら一人で行える業務を増やした。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

1. 作業の流れを細かく分析した簡単な作業手順書を作り、対象障害者が一人で一つ一つの仕事を順番に行えるようにした。
2. 仕事の流れを覚えてからはポイントを絞った作業手順書に変更し、日報も兼ねたものにした。なお、日報は、対象障害者が記入しやすいように項目を作ったり、話すことが苦手なため、目標や感想を記入することができるように工夫した。（対象障害者に作業区分ごとの終了目標時間と実際に終了した時間を記入させ、現場担当者が作業の進捗状況を常時把握し、適切な指示を行う。）

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

出勤記録シートに体調自己申告項目を追加し、対象障害者の体力・疲労の状況を踏まえ4時間勤務とした。昼食時には、2～3人の職員が交代で対象障害者と一緒に食事をし、他の職員との交流、会話をする時間を作った。通院や生活面については、障害者就業・生活支援センターに支援を依頼し、状況を把握するようにした。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

現場担当者が対象障害者の特性を理解し適切な対応を実践するために、障害者職業センターが障害の特性や適切な指示方法などを具体的に明記したサポートブックを作成し、配付・説明を行った。

その他の配慮

対象障害者への対応について、現場担当者任せとならないように、社員の一人としての対応を心がけるように関係職場内でサポート会議を密に行った。