事業所名

合理的配慮事例・27223

業種

輸送用機械器具製造業

従業員数

875名

職種・従事作業

自動車事業部生産部塗装組立課　塗装工程作業員
自動車部品の塗装ラインにて、金属部品をハンガーブラケットに掛ける工程を担当。

障害種別

発達障害（広汎性発達障害）
精神保健福祉手帳2級

障害の内容・特性

知的な遅滞は無い。自己肯定感が低く不安が強い。失敗を恐れて、過度に慎重な行動をとる。緊張しやすい。文字を書くこと、計算することが苦手。同時に色々な情報を処理することが苦手。自律的に行動することが苦手。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

障害者就業・生活支援センターから対象障害者の障害の内容と特性に関する情報を事前に得た上で、同センターの就業支援ワーカーの同席のもとに面接を行った。

その他の配慮

地域障害者職業センターに相談し、採用前の実習時からジョブコーチ支援を受けられるよう準備を行った。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

監督者を固定することで、作業指示のブレをなくし、分からないことをすぐに聞けるようにした。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

製品はロット単位で番号管理され、作業指示の際には写真も添えられているので、見分けるなどの判断を必要とせず、分かりやすく間違いにくい工夫が元々整備されていた。さらに、製品を運搬するカートにも番号と写真入りのプレートをつける等きめ細かく表示を工夫することで、視覚情報を得やすくした。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

精神科の通院は2ヶ月に一度、他に呼吸器科の定期通院もあり、休暇扱いとしている。夜勤もある職場だが、対象障害者は昼勤のみとしている。

感覚過敏を緩和するため、サングラスの着用や耳栓の使用を認める等の対応を行うこと

感覚過敏はない。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

障害者職業センターから講師を招き、発達障害の特性と配慮事項等について資料を用いて説明を受けた。

その他の配慮

工場内ではコンベアやフォークリフトが稼動しており、安全面での懸念があったが、対象障害者に注意障害はなく、工場内での行動ルールをきちんと守れることが実習を通して分かった。現在は、指差し確認の徹底に関して、対象障害者は他の従業員の模範となっている。しかしながら、対象障害者自身の不安感を低減させるために、フォークリフト運転手からの視認性を高める蛍光反射シート付き安全ベストを着用させている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

採用前実習を行うにあたり、障害者職業カウンセラーに工場視察を依頼し、アドバイスを受けながら対象障害者にできる仕事を洗い出した。担当業務を選択する際には、対象障害者の後工程で検査・修正できるような作業を担当させるよう考慮した。実習中も採用後も障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターの支援を継続し、担当業務とのマッチングを検証した。
作業員ごとに記入させている業務チェックシートがあるが、対象障害者用には体調欄を設け、業務の進捗状況を記入する際に、○△×（すっきり・いまいち・だめ）で体調も記入させ見える化している。これを監督者が日々確認し、必要に応じて声掛け・対処している。後でまとめて話をするのではなくその都度対応しているので、定期的な面談を持つことはしていない。

配慮を受けている障害者の意見・感想等