事業所名

合理的配慮事例・27229

業種

サービス業（他に分類されないもの）

従業員数

266名

職種・従事作業

製造業務（リサイクル紙を使った紙漉き作業、紙漉き紙を使った卓上カレンダー等の紙製品の製造等）

障害種別

知的障害

障害の内容・特性

• 理解力がやや乏しい。
• 記憶量はふつうであるが技術を身に付けるのに時間がかかる。
• コミュニケーションの障害がある。

その他

特例子会社、障害者職業生活相談員

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

採用面接は、最初は対象障害者に1対1で5分程度生活全般に関することや就労に関する意欲などを質問し、その後に支援機関の支援者や特別支援学校の職員、保護者が同席し、障害の特性や配慮点等について説明を受けた。

その他の配慮

地域の就労支援センターからの委託訓練（11日間）を活用し、事前に仕事のマッチングを双方で確認した。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

当社は県外に本社を置く特例子会社で、ポータルサイトの運営等多角的な経営を行い、また、当事業所ではリサイクル紙を使った卓上カレンダーやメモカード等の紙製品の製造・販売を行っている。
当事業所では、対象障害者に対して次のような指導支援体制をとっている。

1. 事業所には所長1名、指導者5名を配置し、作業や業務マナーなどを直接指導している。
2. 所長や指導者の支援体制として、本社営業部に事業所支援担当者（2号ジョブコーチ）を配置している。
3. 半年に1回の割合で所長及び事業所支援担当者が個別面談を行い、対象障害者の相談にのっている。
4. 支援機関の支援者には随時相談に乗ってもらっているが、事業所と支援機関との会議（ケース会議）を四半期ごとに開催し、職場や家庭での状況について相互に情報交換を行っている。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

1. 朝礼、終礼の担当を持ち回りで行うことにより、企業における就労に必要なスキルを習得させた。
2. 作業の得意・不得意を把握し、対象障害者にストレスのかからない業務への配置を行った。
3. 習熟度が徐々に高まってきた時点で、対象障害者に意向確認を行ったうえで単純業務から複雑な業務へのシフトを行った。
4. 毎日の終礼時に作業日報を作成し、指導者がコメントを返すことによって仕事に対する責任感の醸成を図った。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

1. 作業内容ごとのマニュアルを作成しいつでも見ることができる状態にしているが、技術を身につけるのに時間がかかるため、作業手順が定着するまで指導者が実際に手本を見せながら指導を行っている。
2. 掃除や片づけなどを当番制にすることによって就労に必要なスキルの習得を図っているが、曜日ごとの当番表を掲示することによって当番を明確にしている。
3. 業務内容ごとに指導者を配置し、始業時に一日の業務の流れを説明するとともに、業務が切り替わるタイミングで指導者から具体的な指示をその都度実施している。
4. 作業しやすいように専門工具等を製作して作業を行っている。
5. 声の大きさを動物に例えて示したり、立入禁止区域が一目で分かるようにテープを張るなど視覚で分かるように工夫をしている。

大声をださない工夫

立入禁止を視覚で分かる工夫

専門工具

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、体調に配慮すること

1. 就業時間は9時から16時までの6時間勤務（昼休憩1時間）。
2. 昼休み1時間の他に、午前と午後にそれぞれ10分間の休憩時間をとっている。
3. なかなか休みを取りたがらないので年次有給休暇以外の夏季休暇（5日間）については、対象障害者の裁量に任せるのではなくお盆時期に事業所自体を休みにすることで取得させている。
4. 出社時に指導者が全員と会話をすることによって、顔色や声の調子から体調不良の有無を確認している。
5. 薬を服用する必要がある場合は、毎日服用のタイミングで指導者から声掛けを行っている。
6. 業務中に体調が悪くなった場合は、休憩用ベッドで休憩をさせるとともに、保護者又は支援機関の支援者に連絡し帰宅させることを励行している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

支援者とのケース会議において、職場で発生したトラブルやパニックなどの症状を伝えることで、家庭での過ごし方や休日の過ごし方を支援者から指導してもらっている。

その他の配慮

1. 就労意欲を高めるために、自社作成のカレンダー表紙の絵柄募集や商品へのネーミング募集などを行うとともに、採用された作品に対しては部長表彰を行っている。
2. 毎年12月に「振り返り会」を設定し、一年間働いて気づいたことや大変だったこと、楽しかったことなどを全員の前で一人ずつ発表することで仕事に対する責任感と、仲間との一体感の醸成を図っている。
3. 3か月に一度研修を行うことによって、熱中症対策や体調管理の大切さを認識させている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等