事業所名

合理的配慮事例・27232

業種

飲食サービス業

従業員数

5,292名

職種・従事作業

給食事業の調理補助（主な仕事は洗浄、盛付け、配膳）

障害種別

知的障害

障害の内容・特性

心身が疲れやすく、体調が乱れて仕事のペースが落ちる現象が見られる。反応が遅く緩慢な態度になってしまう。現場責任者や他の労働者は、これをSOSのサインとして対処している。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

給食事業の顧客先であるグループホームから紹介を受けて、そのグループホームに在籍している対象となる障害者（以下、「対象障害者」という）を面接し採用した。面接時にはグループホームの職員に同席してもらった。該当の対象障害者の募集・採用に当たっては募集活動を実施した訳ではないため、ハローワークを経由していない。
当社として原則的には、ハローワークや障害者職業センターの協力を得ながら、入社前に本人の能力及び適性を把握するため、一週間程度の職場実習を経て採用を実施している。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 対象障害者が所属する現場責任者（店長）を担当者と定めるとともに、本部人事課においても障害者雇用推進担当者を設置している。障害者雇用推進担当者は定期的に事業所を訪問し、対象障害者本人及び現場責任者との面談を通じて問題や悩みごとをくみ上げ、早期対処を図っている。
2. 具体的には業務指導・相談については現場責任者が日常的に対応しており、業務の中でその都度相談を受け、支援している。（対象障害者が所属する事業所には現場責任者を含めて16名が働いているが、障害者は対象障害者1名のみである。）

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

1. 障害者雇用の基本方針として、障害のない者と同じ仕事を実施することを原則としている。この中で障害に起因して「できない」ことを除外していくようにしている。
2. 勤務時間は、当初は週4日・1日5時間の短時間労働であったが、本人の希望も考慮して半年後には週5日・1日8時間のフルタイムに変更して現在に至っている。（フルタイムに変更して約1年経過）
3. 他のスタッフ同様、現場責任者が作成するシフトにより働いており、割り当てられた業務における次の行動に移る判断は対象障害者本人が実施している。

洗浄作業の様子

配膳作業の様子

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

現場責任者のOJT及びOFF-JTにより業務指導を行っている。
デジタルカメラを活用して配膳の完成型等を撮影し、この写真を対象障害者本人に渡して自宅に持って帰ってもらって覚えてもらう工夫をしている。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 現場責任者がシフトを作成する際にも、対象障害者の体調と相談しながら具体的な労働時間や休暇の取得等の調整を実施している。
2. 体調については、対象障害者の自主的な判断に任せているが、体調不良の場合は現場責任者の判断により途中帰宅してもらっている。
   具体的には、年中無休の事業所においてフルタイムに変更した後にも「3連勤」（3日間の連続勤務）を超えた時や、シフト時間の変動が多く規則正しい生活ができなくなる時は体力的に負荷が高くなるため、シフト作成においても勤務時間の変動が少なく「3連勤」を超えないように配慮している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

1. 採用後、対象障害者を配置する前に、人事課の障害者雇用推進担当者から他の労働者全員に対して情報共有を実施した。この結果、他の労働者からの配慮を受けることができている。
2. 他の労働者とのコミュニケーションについては、対象障害者が努めて自発的に実施しており、また他の労働者も違和感なく対象障害者に声をかけている。「仲間」として他の労働者の中に溶け込んでいると考えられる。

その他の配慮

1. 業務外の生活上の相談・助言を受けるために、現場責任者に相談するとともに、従来からお世話になっている就労支援機関にサポートしてもらっている。
   就労支援機関に相談があった場合にも、本部人事課の障害者雇用推進者に報告され、連携のとれたきめ細かいバックアップができるようになっている。
2. 生活上の問題点の解決のために、その都度本人と現場責任者及び人事課の障害者雇用推進担当者で面談しながら相談を受ける体制をとっている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等