募集・採用時の合理的配慮

その他の配慮

1. 職場全体で対象障害者の特性を理解する期間も含め、採用までの2年間に数回の実習を実施した。
2. 実習中は「実習日程表」を作成し、1日のスケジュールを目に見える形にし、対象障害者が1日の作業の見通しを立てられるよう配慮した。
3. 実習期間中に支援学校からの情報や対象障害者と接する中で、できることできないことを見極めた。
4. 採用時には、支援学校から「移行支援計画書」を引き継ぎ、障害特性や対象障害者の得意なこと不得意なこと、課題や目標を事業所として把握し、採用後の参考とした。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

担当する業務の基本線は1人が担当し教えたが、その後については特定の職員を配置するのではなく、対象障害者が困った時にいつでも、誰にでも困ったことが伝えられるように、またその時に周りの職員も即対応できるような環境作りに努めた。
具体的には、普段から対象障害者の一番近くにいた人が声をかけたり、教えたりできるように、職員全員が障害特性を理解し、常に気にかけるよう心がけ、職員ひとりひとりが対象障害者との距離を縮めた。結果、自分が困っているという状況を、伝えられるようになりつつある。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

1. ルーティンワークから仕事内容に変更がありうる場合は、業務の開始時に一日の仕事の流れを対象障害者と一緒に確認し、仕事の内容や変更点（変則的にお願いすることになった業務等）について、業務配分やできそうかどうか等を相談する。
2. 対象障害者の「並べることが得意」「整理することが好き」という特性から、実習期間中に本棚の整理ルールを習得させ、採用後は返却整理も可能と判断し、現在の利用者から返却された図書を本棚へ戻す業務へ配置した。
3. 採用時は「児童書」の限定された返却を担当させていたが、徐々に分野を広げている。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

1. 新たな業務の説明には、長く説明すると話の内容が対象障害者へ入りづらく、落ち着きもなくなるため、短く伝えたいことにポイントを絞って説明するようにしている。
2. 各本棚へ返却する本は対象障害者が作業しやすいように、利用者から返却後、返却台上におおまかな分類ごとに区分けし載せている。本にはそれぞれ分野ごとに色の違うラベルが貼ってあり、その他に数字も記載されており、これを見ながら各棚へ返却できるようにしてある。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

雇入れ通知書に有給休暇日数を明記し、家族にもその内容を確認してもらい、その際、年間を通して計画的に有給休暇を取得するよう勧めている。
対象障害者の体調等を含め日常的に家族との連携を密にしている。

その他の配慮

業務の始業・就業や昼休み等については、家族の協力のもと、対象障害者の腕時計アラーム機能を活用し、時間設定をし、時間管理を行っている。