募集・採用時の合理的配慮

その他の配慮

＜手話通訳の活用＞
採用時の職場研修や倫理研修等については、聴覚障害者協会に手話通訳を一部委嘱する等、事業所内職員による手話通訳者の負担軽減に努めながら、聴覚障害者に対する情報保障を行っている。（※一部、障害者介助等助成金（手話通訳担当者の委嘱）を活用。）

特別に要した費用　（　）はうち助成金充当部分※
352,000円（226,500円）H27.4.1～9.30

※配慮を講じるに当たって、特別に要した費用や助成金の支給を受けた場合の金額を記載しています。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

障害者職業生活相談員（3名）を配置しているが、実際には、障害の有無に関わらず、相談し合える風通しの良い職場環境が構築されている。
＜スキルアップ支援＞
介護業務には専門的な知識が必要であり、定期的な研修が必要である。
受講中は昼間の勤務にシフトを変更、スクーリング時は特別休暇扱いにするなど、働きながら学ぶことのできる環境を整備。障害の有無に関わらず各人が資格取得に挑戦することで、互いに競い合い、スタッフのスキルアップへのモチベーション向上にもつながっている。

業務指示・連絡に際して、筆談やメール等を利用すること

＜OHC、携帯メール、FAXの活用＞
介護という業務特性上、申し送り時にきちんと情報の共有がされていないと、支援効率の低下につながる可能性もある。
そこで、申し送りは手話、書面の両方を使って伝達している。会議時はOHCを活用し、重要箇所をポインターで示すなどして分かりやすく説明する。また、職員同士のコミュニケーションについては、多くの職員が手話を勉強し習得することで円滑な情報交換を行っているとともに、携帯メール、FAX等の活用により、聴覚障害者への情報保障にも取り組んでいる。
（※OHCとは「Over Head Camera」の略で実物投影機のこと。紙媒体の資料や実物を、直接プロジェクターを通してスクリーン等に投影することができる。）

危険箇所や危険の発生等を視覚で確認できるようにすること

＜夜間勤務への対応＞
介護業務に聴覚障害者を雇用するうえで、まず問題視されたのは夜間勤務への対応であった。昼間の勤務はサポートできるスタッフが多いため、連携が可能であるが、夜間勤務は通常2名の配置であることから、利用者の声や物音が聞こえないために、利用者への対応が遅れるのではないかという懸念があった。
そこで、聴覚障害者が夜間勤務をする場合については、通常2名のところ3名体制とし、チームワークにより利用者へのすばやい介助ができるようにした。現在では、聴覚障害者だから3名体制にするという意識ではなく、夜間勤務のひとつの形として体制を整備・構築している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

＜手話によるコミュニケーションの推進＞
聴覚障害者の働きかけを契機に、朝礼にて手話のワンポイントレッスンを実施。職員のほぼ全員が手話を介した日常会話を行えるようになった。このことで、コミュニケーションにおける互いの負担は軽減され、スタッフ間の話合いの充実や信頼関係が生まれるなど働きやすい職場環境が構築された。