事業所名

合理的配慮事例・27254

業種

その他のサービス（特例子会社）

従業員数

339名

職種・従事作業

清掃

障害種別

精神障害

障害の内容・特性

気分障害（うつ病）：健常者として入社。入社後、症状が確認され業務に支障があり、ジョブコーチの勧めで手帳を取得した。症状がでると、顔の筋力・表情も落ち込み、周囲を寄せつけなくなる。作業順序等、物事の組み立てができなくなる。言われたことを忘れてしまい、反復を繰り返す。細かなことが一層気になってしまう。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

障害者支援業務を専属で行うジョブコーチ6名によるサポート体制である。そのうち、1名を清掃業務専任として配置している。
担当者とは、清掃部門の立ち上げ当初から一緒に勤務している。対象障害者が絶対的信頼を寄せており、担当者に会って公私にわたり会話、相談することを日課とし休まず出勤している。
担当者は、対象障害者の体調を確認し、相談に応じるため、毎朝ヒアリングを行っている。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

対象障害者の業務は、他の知的障害者の行った清掃作業をチェックし、不十分なところをフォローすることであるが対象障害者を含め、障害者の担当業務一覧表を作成し、フォロー業務の場所・時間を明確化している。また、クレーム・トラブルが起きた際にも、この一覧表により、担当者、場所、時間等の把握ができ、的確に対処している。チェックの際に気づいた点は、業務連絡用携帯電話にて対象障害者からその都度、ジョブコーチに報告し、指示を受ける。
作業手順は、細部にわたりマニュアル化している。また、掃除用具についても、整然とセットされ、使用区別を設定し、例えば便器や洗面台などの使用場所により、雑巾の色を変えて区別するなど、単に障害者の作業の効率化をはかるだけではなく、ビルの利用者が見ても衛生面に配慮した業務が行われていると確認できるので、不要なクレーム等が発生しないことにも繋がっている。

清掃作業一覧表

清掃マニュアル

清掃用具

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

休暇については、責任感が強く、休みたい気持ちがあっても休めない。自分が必要とされていない不安感に繋がることがある為、通院には、現在年間20日の有給休暇を利用することで対処している。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

休憩すると、周囲からさぼっていると思われないかと気になってしまうことから、対象障害者にとっては、作業をしている方が、気持ちが楽であるので、担当作業箇所のうち、比較的使用頻度の少ない、利用者と顔を合わさずにすむ会議室フロアに体調に応じて移動している。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

朝のヒアリングで、当日の体調を聞き取り、作業を確認する。その際に不調かどうか判断しかねる場合は、一旦昼まで作業をすすめてみて、それでも気分が優れなければ、早退するよう促す。
気分が沈んでいるときは、黙々と集中できる細かい部分の研磨等、体調にあった作業を選択する。
作業順序の組み立てができないときは、ジョブコーチとともに、書面に作業の書き出しをし、組み立て直しをする。

細部の清掃作業

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

ジョブコーチ間で情報共有している。対象障害者は、不調の際、表情の変化が分かりやすいことと、業務連絡の頻度が格段に上がるなど顕著である。
同じ業務を行う他の労働者に対しては、対象障害者の他は知的障害者なので、特段の説明はしていないが、気分の優れない時があることは、一緒に作業する上で障害によるものと認識している。
また、対象障害者は、知的障害者に対し、業務の得意な部分を理解し、不十分な部分に目を配らせている。異なる種別の障害者が、特性を生かしながら、連動して業務にたずさわっている。

その他の配慮

過去に入院を要したが、その後の職場復帰について、職業センターでの相談・助言を利用した。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等