事業所名

合理的配慮事例・27259

業種

製造業

従業員数

460名

職種・従事作業

生産関連・生産類似作業

障害種別

発達障害

障害の内容・特性

広汎性発達障害：他者と興味や関心を共有したり、暗黙のルールを察することが苦手

その他

障害者職業生活相談員

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

対象障害者は、当事業所に関わる以前より、障害者就業・生活支援センター（以下「支援センター」という）より支援を受けており、担当相談員と信頼関係が構築されていたので、支援センターに面接に同席してもらった。事業所人事担当者との受け答えを補足するとともに、聞きなれない文言などについては、その都度理解度を声かけ確認し、理解できていない場合は解説をお願いした。

面接・採用試験について、文字によるやりとりや試験時間の延長等を行うこと

公共職業安定所に出していた求人票を基に労働条件を説明すると共に、採用後に従事する業務について写真付の業務マニュアルを提示し、確認を行った。

業務マニュアル

その他の配慮

障害者の雇用については、障害者の就労意欲が高まる中、障害者法定雇用率の改正、障害者雇用納付金制度の改正など、企業の社会的責任への関心の高まり等を背景とし、少なくとも法定雇用率2.0％を下回らないことを方針として掲げている。このような中、まもなく勤続30年を迎えようとしている、高年齢の障害者も複数人在籍している状況を踏まえ、新たな障害者雇用の取組を行った。
具体的には公共職業安定所に障害者枠で求人募集を行い、吉備高原職業リハビリテーションセンターで職業訓練を受けパソコン操作に習熟している対象障害者の紹介を受けた。
職場見学の申出があり、支援センターの相談員と対象障害者を受入れ、想定している職務（物流・製造・包装工程）を、事前に作成した写真付の業務マニュアルを使い仕事現場で説明した。
その後、本人の意向並びに、支援センター相談員との話合いの結果、働く意欲があれば支援センター提案の「職場実習」を2週間程度実施する用意があることを伝え、「職場実習」を実行した。
実習前には支援センター、障害者職業センター（以下「職業センター」という）間で入念に事前打合せを行い、実習期間中は、支援センター相談員が対象障害者の取組状況を把握し、その後の支援に向けて職業センターのジョブコーチも職場を訪問し本人の様子を把握した。
実習後は、関係者による「ふりかえり会議」を行い、対象者障害者の情報を共有し、雇用に向けての過程を確認した。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

職場内での生活相談については、募集から採用に至る過程で関わってきた人事担当者（障害者職業生活相談員）が担当し、日常の業務に関わる労務管理などは、対象障害者が携わる作業に応じて、作業リーダーが業務指導を含め担当している。
具体的には、選別・検査・梱包業務に、それぞれ別の場所で従事しているが、これらに固定された作業リーダーが複数人存在している。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

障害の特性上、あいまいな表現・暗黙のルール・業務に優先順位をつけるなど苦手なことがあるので、「ちょっと待ってください」でなく、「○○分待ってください」など具体的表現を心がけると共に、検査業務などの場合には、大きさや量的な判断を伴うものは、集中力が散漫になり生産性が低下するので、集中力が持続できるゼロか1か判断が明確にできる業務に従事させている。
また、多品種の生産を行っているので、その日の生産計画に基づき、製品ごとに機種リーダーが作業要領書を示し、客観的（数値化）に作業方法を指示している。
対象障害者は常にメモ帳を持ち歩き、指示内容を記録・整理している。
選別・検査・梱包業務にも習熟し、勤務が1年を迎える辺りから、業務時間が余る状況となったため、当初本人が希望していたパソコンを活用した業務にも携わっているが、定型反復作業では、正確で速い能力を発揮している。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

9時から16時15分のパートタイム勤務である。残業は無く、その他特段の配慮事項はないが、職業センタージョブコーチより「障害の特性上、他者との交わりが苦手のようなので休憩時間、特に昼食時には「自分の世界」の邪魔にならないよう、声かけなどしないことが配慮」とアドバイスを受けた。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

広く一般社員には行っていないが、対象障害者が所属する部門のマネージャー、作業リーダー等業務指示に関わることになる者には、障害者職業生活相談員が資料を基に、障害の内容や必要な配慮について説明を行った。

その他の配慮

入社直後より、職業センターのジョブコーチ支援を受け、業務上の指示内容・方法を統一することや、業務都度ごとでの同僚社員へのアドバイスを得た。3ヶ月の支援の後にも定期的に訪問があり、公共職業安定所・支援センターなどを含め、関係者で「ふりかえり会議」を実施している。

配慮を受けている障害者の意見・感想等