募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

紹介者である障害者就業・生活支援センターのジョブライフサポーター同席の下、対象障害者が援助を求めた場合や答えに窮した場合にジョブライフサポーターが応対した。

その他の配慮

対象障害者には2週間の職場体験実習を行い、仕事の内容や職場環境などを体感することで、採用後の職業生活がスムーズに行えるようにした。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 対象障害者の直属の上司を指導担当者とし、指示命令系統を一本化している。
2. 対象障害者と同一種別の障害者を隣席に配置することで、同様の障害者としての相互扶助とライバル関係による相乗効果が期待できる環境とした。
   その結果、隣席の同じ障害をもつ障害者が電話応対する姿を見て、対象障害者もそれまでできなかった「電話を受けること」ができるまでになった。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

入社当初は、指導担当者とジョブライフサポーターとの協力体制で業務指導を行い、業務に慣れた頃からは指導担当者作成の、全職員が所持する「ビジネスマナー・マニュアル」に基づき指導をしている。
また、以前の失敗事例で「障害者であることを意識する余り、特別扱いとなったことが逆に負担を掛けた」ことがあり、その反省を踏まえ、障害の無い人と同様の指導スタンスで臨むこととし、本人のやる気を認めると共に厳しさのある指導と徹底したコミュニケーションをとることとした。
その結果、それまでの「ジョブライフサポーターから連れて来られた。」という意識が、「自分は当社の職員だ」という自覚に変化してきたことが感じられるようになった。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

体調不良時の遅刻・早退・休暇については、社内規定に基づき取得することとしている。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

勤務する社屋の4階の自動販売機コーナーに椅子を用意している。この場所は普段は人通りが少なく、一人になれる場所でもある。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

担当する業務量は、多少の繁閑期はあるもののほぼ一定しており、体調不良時の規定に従った早退等の措置以外には特段の調整等は行っていない。しかし、そうした措置については、ジョブライフサポーター、主治医等との連携により、本人が無理をしているか否かや、ジョブライフサポーターと本人との協議結果を把握するなどして、本人の要望に沿った内容で取得しやすい環境を整えている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

対象障害者には、入社時に同じ部署の職員に障害種別や障害特性等を周知することへの同意を得ることとしており、同じ職場の職員に対して対象障害者への理解を求めることとしている。

その他の配慮

幹部会議等において、会社としての障害者雇用に対する姿勢や考え方を説明するとともに、障害者の保護者による講演会を実施するなど、対象障害者に対するもの以外に、障害者雇用全般について社内理解の向上に努めている。