募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

採用面接時に対象となる障害者（以下、「対象障害者」という）を支援している就労支援機関の職員2名に同席してもらい、対象障害者の受け答えを補足する形で、障害特性や就労上の配慮点について説明を受けた。

その他の配慮

1. 面接時、対象障害者に週当たりの事業所としての希望労働時間を伝え、従事可能か話し合った。
2. 就労当初、2週間ほど就労支援機関の職員が職場に同行し、身だしなみ等の基本ルールを指導した。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 対象障害者が所属するチームの主任が業務指導を行ったり相談に乗ったりしている。
2. 指示系統が混乱しないようにチームのメンバーは主任に対象障害者の様子を報告し、主任を通じて業務指導を行うようにしている。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

1. チームで作業するため、ノルマは個人ではなくチームに課せられている。対象障害者の作業能率が上がらない場合は、チームのメンバーがカバーをした。
2. 当初、対象障害者の作業レベルを考慮して、単純な作業から始めた。
3. 決して無理強いはすることなく、少しずつ作業量の目標を増やしていき、対象障害者が達成感を得られるようにした。
4. 当初に比べて、現在は作業能率は向上している。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

1. 5～6人のチームで作業を行うが、メンバーが常に対象障害者の様子を気にかけ、対象障害者が困っているなど何かあれば、すぐに対応できる体制をとっている。
2. 対象障害者の従事している作業は、主に包丁を用いて鶏肉を指定されたサイズにカットするものである。
3. 対象障害者に対してまずは、口頭で繰り返し説明をした。その際は混乱しないように、あいまいな表現は避けてできるだけ具体的に伝えるようにした。
4. 口頭説明の後、作業を実演して手本を示した上で、対象障害者と一緒に実践練習をした。
5. さらに、包丁の使い方が危うい場合は、主任が手を添えて練習をすることもあった。
6. 対象障害者が誤った判断で作業を進めてしまうことがあるので、作業内容を正しく習得するまでは任せきりにせず適宜商品を確認し、誤りがあった場合はその部分を明確に伝えて修正させている。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 勤務時間について、就労当初は1日6時間勤務であったが、しばらくして対象障害者の要望で2時間延長した。ただ、その後、体調不良等による欠勤が見られたため、現在は1日6時間勤務に戻して様子を見ている。
2. 一時期、無断欠勤が見られたため、対象障害者と話合いの場を設けて注意した。休むときは必ず連絡するよう指導した。現在は欠勤なく勤務している。
3. 現場では、いくつかのチームに分かれて作業しており、休憩時間はチームごとに違う。対象障害者は、普段の休憩は、所属するチームにあわせて取っている。また、体調不良時など、要望があれば臨機応変に休憩できる体制である。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

直属の上司にあたるチーム主任に説明を行った。

その他の配慮

1. 出退勤時刻については対象障害者の勤務態度等に左右されなかなか定まらなかったが、早急に判断せず時間をかけて対応した。対象障害者本人の自主性を尊重している。
2. 就労支援機関の職員や障害者職業センターのジョブコーチに支援に入ってもらい、安定した就労を目指している。