事業所名

合理的配慮事例・27268

業種

医療業（除外率設定業種）

従業員数

280名

職種・従事作業

作業職（構内の清掃・除草・院内の清掃・おしぼり巻き・設備機器類の保全清掃）

障害種別

知的障害（身体障害3級もあり）

障害の内容・特性

知的障害ほか下肢（膝）上肢（手指）に障害あり3級

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

障害者職業センターの職員（ジョブコーチ）同席のもとに面接を行い、本人の障害特性の詳細な説明を聞いたのち、病院側からは予定している仕事内容の詳細をお話しし、本人とジョブコーチにひとつひとつ確認、了承を得て採用に至った。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

採用後3ヶ月間は障害者職業センターの職員（ジョブコーチ）が熱心に業務の指導をしてくれたり、本人からの相談にも応じてくれていた。ジョブコーチ支援終了後はYさんが行う業務を直接担当する施設管理の責任者をYさんの担当者とし、仕事のこと、体調のこと、また周りとのコミュニケーションなど常に細かく心配りをしている。相談ごとにも乗ってはいるが、Yさんは言葉が少し不明瞭で、なかなかうまくコミュニケーションが取れないこともある。病院側にはさっぱり原因がわからず、元気がない日が続いたことがあった。どうしたらYさんが明るく元気に仕事を行うことができるか試行錯誤の日々で種々検討した結果、Yさんより若いが、病院での仕事の経験が長く、しっかりしている、同じく障害を持つHさんをペアにして作業をやってもらってはどうかという案が出た。
最初は双方に戸惑いや遠慮があるのか、うまくいかないこともあった。どちらも主体性を持って動こうとしなかったので、検討の結果、年下ではあるが、経験の長いHさんをリーダーとした。Yさんにもそのことを充分説明した。その辺りから二人の間も落ち着いてきた。もともと二人ともおとなしく優しい性格であるため気が合ったのか、今では昼休みなども一緒に行動し、作業も二人で明るく取り組んでいる。主たる担当者が難しかったコミュニケーションもリーダーのHさんが取っていると思われる。施設管理の責任者は少し距離を置いて、二人の障害のある職員を見つめている。

特別支援学校職場見学

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

障害者職業センターのジョブコーチの熱心な指導のおかげもあり、当初は4時間からのスタートであったが、日を経つごとに仕事を覚えてきた為、勤務時間を6時間に延長し、最終的には7時間まで延長して現在に至っている。月間の予定表、作業者ごとの日常業務スケジュール表にあるようにパターン化された業務は二人のペアを組んだことも功を奏し、習熟度が上がってきたので、院内の年間行事や催し物の準備かたづけ等の作業を増やしていく予定で、現在指導中である。本人も興味を示し熱心に覚えようと取り組んでいる。ただし、Yさんには下肢にも軽い障害を持つため脚立を使う作業や足元の不安定な作業場での作業などはいっさいやらせていない。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

Yさんは入社後、既に8年近く経過しており、現在の仕事は月間予定表や日常業務スケジュール表だけあれば、充分仕事を覚えており問題ない（リーダーのHさんが更に良くわかっていてフォローもある）。今後新しい仕事を覚えて行くには業務マニュアルが必要かとは思うのだが、Yさんは残念ながら字があまり読めず理解力にも問題があるのでHさんとともにOJTで感覚的に覚えてもらうしかないかと考えている。
現在あるマニュアル類は、（月間の作業予定表・日常業務スケジュール表（Yさん用）・作業前と作業終了について・朝仕事をする前に・時計合わせの場所と時間・洗濯機&乾燥機の清掃チェック表・構内地図と場所の読み方・各ヤードの清掃場所記録票・病棟の年間行事の設置、施設の設置・飾りつけ見本（ひな祭り・クリスマスツリー））などである。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

Yさんは、至って健康で体調を崩して休むということはない。時々施設の行事や旅行で年次有給休暇を取得している。
通勤距離が長く公共交通機関と当病院の定期運行バスを乗り継いで通勤しているが、公共交通機関が遅れると、定期運行バスが一日6本しかないため1時間の遅刻となるが、こういう場合は本人からきちんと報告があれば遅延証明などは取らなくても認め、時間給から引くようなことはしていない。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

各部署の責任者（病院では各科の部長・看護師長）に、今度こういう障害のある方が入職するということで業務遂行上関係があると思われる、障害内容・特性を説明して回り、必要な項目を部下にも伝えるよう指示をしている。

その他の配慮

夏の暑さの厳しい時期の外の作業には麦わら帽子の支給や、水分補給の必要性についての指導も行なっている。Yさん達は決まったスケジュールで作業を行おうとするが、特に暑さが厳しい日などにはスケジュール変更をして院内の仕事に変更するようにしている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等