募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

（実例）

• 本人の希望があれば常に認めている。
• 5日間職場実習を行った。指導等は障害者就業・生活支援センターと協力の上行った。障害者就業・生活支援センターの就労支援専門員と一緒に、職場実習の評価を行い、実習終了日には、障害者の社会復帰施設にも協力をいただき反省会を実施した。

その他の配慮

（実例）

• 採用に当たり4者（本人、施設担当者、障害者就業・生活支援センター）によるバックアップ体制の打合せ会を開催した。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

（実例）

• 業務指導や相談に関しては、障害者施設で10年以上の勤務経験がある以下の3名が担当している。
• ①施設長：総合的な相談や人事考課・異動等に関する申告、定期面接を担当。
• ②事務員：賃金、諸手当（通勤手当）等の雇用契約に関する事項を担当。
• ③介護部チーフ：日課の構成や業務内容の見直し、勤怠管理と評価を担当。
• 職場に直接相談しにくい場合は、障害者就業・生活支援センターの就労支援専門員に相談ができるようにしている（就労支援専門員の定期巡回が実施されている。）。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

（実例）

• 作業手順や方法は、本人の理解が図られるまで、担当者（トレーナー）を配置し、無理のない独立を目指している。
• 本人と相談し、個々の能力や到達度に合った業務目標を設定している。目標に対する成果は、他の職員と同様に人事考課制度で施設長が評価し、賞与に反映させている。
• 業務日程表（時間、場所、内容、注意事項）に基づく取組みを評価し、担当者が助言を行っている。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

（実例）

• 出退勤時間は、就業時に本人と相談し決定している。
• お盆や年末年始等、効率的に休暇を取得、消化するよう支援している。
• 勤務シフトは本人の希望を取り入れて作成し、土曜祝祭日の勤務については、平日に振替休日を取得させている。
• 通院や休暇希望に関しては、職場内で調整し、積極的な配慮を行っている。
• 精神科通院後は、服薬内容の変更の有無等について相談、確認を行っている。
• 出退勤時の健康チェックを実施している。
• 職場負担の定期健康診断及びインフルエンザの予防接種を行っている。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

（実例）

• 休憩は、障害者雇用の業務員用のために、テレビが設置されている専用の休憩場所を用意している。
• 昼食休憩は、12:00～12:45とし、その他にも午前と午後に水分補給のための休憩を適宜設定している。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

（実例）

• 主な業務は、「園内清掃」、「ゴミ収集」、「庭園整備」とし、介護職員の補助業務として設定。
• 年齢的にも長時間の肉体労働は行わせない。担当者が就労状況をチェックし、傍観的になった場合には、業務量を調整している。
• 業務内容がマンネリ化しないよう、業務量と併せて業務内容の細かい部分について配慮している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

（実例）

• 実習等の受け入れにあたっては、関係担当者を集め打ち合わせを実施。情報の共有と障害特性について理解を図った。
• 採用決定時には、全職員に対し氏名、雇用形態、業務内容、お願い事項等を説明し、受け入れ体制を整えた。また、本人を監督指導する担当者に対しては、本人プロフィール等の情報を詳しく説明した。
• 特別養護老人ホームであるため、職員は障害者施設での勤務経験が少ない者が多いことから、障害者の雇用の受け入れにあたっては、基本障害やノーマライゼーション等について講義、説明を実施している。

その他の配慮

（実例）

• 就労支援機関のサポートを積極的に受け入れ、活用している。
• 行き過ぎた配慮は、逆に本人が気にかける要因となる。そのため、一職員として見つめ、対応することを基本としている。
• 職員親睦会が主催する会食行事等への参加を呼びかけ、職員としての自覚と同僚との親交及び協調性の伸長を図っている。
• 福利厚生の一環として、職員被服費としてユニホームの現物支給を行い、本人負担を軽減を図っている。
• 本人の母親が施設に長期入所しており、本人の生活支援や母親へのケアについても適宜対応している。