募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

• 福祉施設の支援者に面接の同席をお願いする。
• 障害特性を確認してより詳しく聞き取りを行う。
• コミュニケーションスキル、得意な作業、苦手な作業等の情報を確認。
• 集団での面接は行わない。
• 支援者にフォローしてもらいながら面接を行う。
• 前職がある場合は離職理由などの確認。
  

その他の配慮

• 作業内容を明確にし現場見学及び実習を行うことでミスマッチングを予防する。
• 作業を行う上での企業への要望を確認（服薬、休み、休憩、通院、出退勤時間、通勤方法　等）。
• ストレスの発散方法の確認。
• 支援者の同行（アフターケア）ができる様に事業所内での調整を行う。
• 面接官以外に障害者職業生活相談員も面接に同席。
• 通院や勤務時間の確認。
• トライアル雇用等の制度の利用を図る。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

• 日々の顔の表情や、行動を確認する。
• 基本的な指示、作業手順、作業指導は現場のリーダーが行う。
• 定期的にリーダー及び障害者職業生活相談員との面談を実施し職場の悩みや改善点を聞く。
• リーダー等に直接相談しにくい内容については相談用紙を設置（目安箱）。
• 相談の申し入れがあった際には、話をする時間を優先して作る。
  

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

• 本人の作業目標や時間の設定（習熟度にあわせて個別に設定）。
• 作業標準や写真・イラストの入った作業マニュアルを作成し、作業の抜けや確認をしやすくする。
• 使用道具の配置などを写真で掲示し、片付けなどで迷わないようにする。
• 負荷の少ない作業から本人の適性を確認し作業量の調整を行う。
• 作業指示に関してはメモを取ってもらい、言った言わないの無いように行う。
• 複数から作業指示は行わない（混乱の原因）。
• 抽象的な指示ではなく、作業を正確に伝える。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

• 休暇については本人の希望に合せて取得できる様にしている（通院・カウンセリング）。
• 休暇取得については年休の有無や使用方法、メモリアル休暇、夏季休暇、祝日などに合せた連続取得などの声かけを行っている。
• 夏季に関しては水分補給の為のウォーターサーバーの設置や塩飴の設置を行う。
• 野外での作業に関しては、通常の休憩時間以外に水分補給、体調管理の為の時間を設ける。
• 産業医の診察日の声かけなど朝礼の際に行う。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

• 自分のペースでトイレや休憩を行っている。
• 休憩場所は複数あり、休憩場所の指定は行っていない。
• 休憩場所については、自動販売機やソファーを設置。
  

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

• 朝の体調や表情の確認。
• 朝礼時に気候などに合せて作業場所（屋内、野外）の調整及び作業量を調整。
• 集中力が低かったり、通常の作業にムラがある場合は声かけを行い状況を確認する。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

• 社員研修。
1. 同じ作業場の社員に対する精神障害の特性やコミュニケーションの研修会
2. 事業所内の各リーダー及び管理監督者に対して障害を説明
3. 説明方法については、職業生活相談員や支援者からの情報を同じ職場で働く社員に共通認識として知ってもらう（本人・保護者には情報提供の許可済み）
• 提供できる個人情報に関しては社内、医療関係、関係機関等に情報の共有ができるように同意書の記入をしてもらう。
  

その他の配慮

（実例）

• 就職してしまうと福祉サービスとの接点が無くなっている家庭が多くあるので、生活面接での情報提供（ガイドヘルパーや基礎年金の情報など）を行い、働く上での生活基盤の安定に努める。
• 障害者能力開発校や就労移行施設（発達障害がメイン）のグループワークに週1回参加してもらい、コミュニケーションスキルの向上や、感情のコントロール等を勉強してもらっている。
• 一般社員研修や短時間KYトレーニングなどは通常より研修時間を多く取ったり、言葉や内容をわかりやすくして実施する。
• セコム安否確認サービスに加入（緊急時の安否を携帯メールで確認）休日・夜間。