募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

面談時に障害者職業センターの障害者職業カウンセラーの同席を認め、本人の障害特性に対して必要な配慮を十分に把握できるよう努めた。障害者職業センターにおいて、職業準備支援を受けていたことから、その中で見受けられたこと等を事業所にお伝えし、それが障害理解につながった。

その他の配慮

障害者職業センターを介して、実習を受け入れた際に、16日間の実習の中で「何が出来て、何が出来ないか」ということを、徹底的に整理することに努めた。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

その日その日について、それぞれのシフトの体制があるので、担当者1名では、業務指導に係る専任体制を取ることが難しいため、3名の担当者を選任している。例えば、ある1日については、その日に関しては誰の指導を受ければよいのかを書面で本人に伝え、誰に相談していいか戸惑う事がないよう体制を整えている。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

実習の中で、本人の障害特性の把握に努めた結果、「複数の指示を受ける」、「指示自体が長くなる」というようなことがあると、本人はその指示を整理仕切れず、作業指示された内容が、本人の意識の中では、「虫食い状態になってしまう」ということが確認されている。そこで、時間的な目安、作業手順については、通常職員仕様のマニュアルが存在するのだが、当該マニュアルが、本人にとっては複雑で理解困難なものであることが明らかであったので、上記従事作業内容を、週間で月・水・木と火・金と2つに大別して、2通りの対象障害者仕様のマニュアルを作成し直すと共に、作業時間や作業手順の管理についても、「1作業1報告」の原則の下、1つ1つの作業を確実に終了させていく、ということを徹底して実施している。
また、例えば本人は障害特性上、突発的な対応が苦手であるので、他の労働者の理解と協力を得て、「認知症」の入所者の病棟・部屋の掃除を一部免除したり、指示を出す職員間において、指示内容が、異なることがあっては、本人が困惑することから、指示内容の統一が図られるよう配慮されている。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、体調に配慮すること

ADHDの治療薬の服用が毎朝欠かせないことから、本来、事業所におけるシフト勤務は午前7:30からのシフト勤務を含むのだが、本人の障害特性を考慮して、9:00、10:00始まりのシフト勤務で、休暇日についても出来る限りローテーションを組む際に、中日（3日勤務して1日休みといった形）で取ってもらうようにして出来るだけ連続勤務にならないよう配慮している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

障害者職業センターより、実習を受け入れた段階で、センターから得た情報に基づき、受け入れ部署において受け入れ体制の構築に努め、本人が入社した後、業務指導・相談に関わる職員間での、コンセンサスが図られている。

その他の配慮

発達障害の問題は、障害そのもの以上に、障害が原因の失敗によって、叱られ続け、自信を失い、劣等感を持つことにあると言われている。逆に、失敗が減って自信がつくと、不注意や多動が目立たなくなる人も少なくないという。事業所としてその人の特徴をどれだけ受け入れられるかにかかっている、との信念の下で指導している。