募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

障害者雇用における当社の採用の流れは、会社説明会　→　通常業務の実習（1～2週間）　→　面接　とし、支援機関の支援員に同席してもらっている。

その他の配慮

面接に先立って行う実習を重視し、実習期間を1～2週間取ることで、お互い社風に合うか、希望する仕事内容や職場環境かなど確認している。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

担当者はリーダー（課長）とし、人事、業務の相談窓口がワンストップで対応できるよう配慮している。精神障害者3名が所属するサポート課と、システム課のリーダーを兼務しており、両課合わせて12名が同じ島で勤務している。
他の社員と同じ様に、日報をグループウェアで付けている。何か相談事、ささいなことでも気になることがあれば、日報に書いてもらっている。面と向かっては言いにくいことでも書いてもらえるので、翌日には疑問等に対して、対応することが可能である。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

会計事務所の仕事は、1年単位で見るとルーティンワークが多い。初めは細かく指導したが、2年目以降は、本人が自分で作ったマニュアルによって、後輩の指導も行っている。
各部署から総合的パッケージでの仕事の切り出しを行い、また、仕事を切り出すときは作業をパターン化することを心がけている。例えば、年末調整の賃金台帳の入力は、必要事項をルールで定めたマーカーで色を付けてもらい、税務システムに入力してもらっている。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

長い期間働いてもらえるよう無理をさせないようにしているため、採用時は、10時～16時のパート勤務からスタートした。3か月に一度の面談を通じて、本人の希望と支援員の意見を踏まえて勤務時間の検討を行い、勤務時間を延ばす場合は1時間ずつ調整している。
通院は、半日の有給休暇を取ってもらっている。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

当社の執務スペースは、2階フロアと3階フロアを使用しているが、2階フロアは来客や会議等により人の出入りが頻繁にある。一方3階フロアは静かな環境であることから、精神障害のある社員の執務は3階としている。
また、休憩や一時休息場所として休憩スペースを同じフロアに設けている。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

当初はリーダーが障害のある社員ごとに個別に業務量を割り振っていただが、現在は他チームから回ってくる仕事全体の調整のみ行い、細かい部分は当事者間で業務量の調整をしてもらっている。
精神障害者3名は、個々の能力が高いので、現場の要望にはかなり応えることができている。
また、一般社員には、期日がタイトなものはサポート課に振らないよう徹底しており、期日が急なものは各現場に返している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

障害者が新たに入社する前に、障害の内容（精神障害等）、配慮して欲しいこと（お昼ご飯は一人で食べたい、挨拶で握手はできない等）を社員勉強会で伝えている。
一般企業で就労できるということは、ある程度安定しているということなので、細かい病状等は話さないようにしている。

その他の配慮

支援者会議を1～3か月に一度の頻度で、支援機関の支援員、本人、リーダーの3名で行っており、支援員にプロの観点からアドバイスをいただいている。