募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

対象者が通学していた普通科高校の担任教諭及び奈良公共職業安定所の職員が同席した。

その他の配慮

他の新規学卒者と一緒に職場見学を行った。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

業務指導は、部門長である製造課長が行っている。
特に現状において体調に問題がなくても、今後何らかの変調等があれば上司へ報告すること、相談しながら仕事に取り組むことを指導している。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

夜勤のある交代制勤務から外し、3か月に1回の定期通院ができるように配慮している。

本人の負担の程度に応じ、業務量等を調整すること

入社後、最初に配属されたブロー成形工場では、他の新入生と一緒に基本的な技術者としての知識を習得した。3か月後、夜勤のある交代制勤務に入ったが、仕事中に疲れを見せることが多くなり、座った姿勢で作業ができる射出（インジェクション）成形工場の検査業務へ異動させ、様子を見ることとなった。その後も仕事中に度々疲れを見せたため、医師の診察を受けてもらったが、職務内容と疲労とが直接結びつく要因は見つからなかった。そこで、一旦パート勤務と同じ時間帯にシフトして作業量を減らし、勤務時間の配慮を行いながらその後も様子を見て行くこととなった。

検査業務の様子1

検査業務の様子2

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

難病に関する情報開示は、危険予知と危機管理より部門長である製造課長とリーダーまで公開している。彼らに対し、本人に何か通常と異なる状況が発生したときに、病気との関連性等がないかを頭の片隅に意識してもらうことに狙いがある。これが本人に安心感を与え、意欲を持って勤務できている。

その他の配慮

勤務時間や作業量を配慮しながら、現在は成形品の検査業務に従事させているが、当社としては知識や技能を習得し、職域を広げて技術者として成長していってほしい。幅広い職能知識を身に付けてもらうことにより、本人の難病が進行した場合の社内での職業選択肢を広げておきたいと期待し、人材育成に取り組んでいる。本人の職域を広げ、将来を期待する人材育成も重要な配慮である。