募集・採用時の合理的配慮

その他の配慮

1.採用前に、10日〜2週間程度の職場実習（以下「実習」という。）を計3回実施。複数の作業を経験してもらい、職業適性と本人の意向を聞いた上で採用、配属を決定した。
2.障害者職業センター（以下「職業センター」という。）から講師を招いて全ての従業員を対象に研修会を行い、障害特性、対応のポイントについて説明を受けた。また、「障害者雇用事例リファレンスサービス」を利用し他社の事例なども参考にした。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

仕事の指示及び指導、相談対応は工場長が担当窓口。集中力がありコツコツと根気よく作業に取り組むが、責任感が強く小さな失敗にも動揺し落ち込む傾向があるため、ミスがあった際のフォローには気を配っている。また、周りの従業員も休憩時間などの会話を通じて悩みを聞いたり、「最近落ち込んでいるようだ」といった情報を担当者に伝えるなど、職場全体で見守る雰囲気がある。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

担当作業のタレの製造は、機械の操作を伴うが、「だいたいこのぐらい」という曖昧な指示があると混乱するため、手順だけでなく入力する数値まで細かく記載した作業マニュアルを作成した。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

基本的には他の従業員と同様である。入社から数か月間、環境の変化やミスによるストレスで体調を崩し、週に1日程度休むときもあったが、他の従業員の場合と同じように病欠として扱った。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

• 担当業務は、実習後のヒアリングによる「いろんな作業をすると混乱するので、一つのことを集中してやりたい」という対象者自身の意向を尊重した。
• ミスをして動揺することのないよう、スピードより「正確性」を重視。焦らず落ち着いて取り組むうちに作業に慣れ、現在では他の従業員がこなすのと変わらない業務量をこなしている。また、機械操作も入力だけでなく「洗浄」、「水質チェック」などの一連の作業ができるようになった。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

入社前に従業員を対象とした研修会を行い、障害特性や対応のポイントなどについて情報を共有した。
その後、アルバイト及びパート従業員を含む全ての従業員に対しても同様に説明し、情報を共有した。

その他の配慮

1職業センターと連携しながら受入れの準備をした。採用後もジョブコーチが定期訪問をして対象者や担当者と面談をしているほか、気になることがあった場合は速やかにジョブコーチに相談するなど、密に連絡を取り合っている。
2.学生アルバイトから60代の従業員まで幅広い年代の従業員が働いているため、もともと「多様性のある職場」だと言える。採用前は従業員たちに多少の不安はあったようだが、採用後のトラブルは特になく、いくつかの細かな配慮を除けば障害があることを意識することなくフランクに接している。