募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

1.採用面接時に障害者就業・生活支援センター職員と特別支援学校元担任に同席してもらい、障害特性や配慮事項について説明を受けた。同席者の補足により、本人との意思疎通を図った。

その他の配慮

1.本人の不安解消のため、就労支援機関の担当者と一緒に事前見学を実施。また、面接においては、本人が過度に緊張せずに返答しやすい日常的な質問や穏やかな口調を心掛けた。
2.障害者職業センターの職場実習（職務試行法）を実施し、障害特性を理解しながら段階的にトライアル雇用へと進めた。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1.対象者が円滑に職務遂行ができるよう、職業指導や相談に関し職場内の担当者を限定した（女性リーダーが指導担当者になる）。
2.障害者職業センターから派遣されたジョブコーチのアドバイスを受け、指導担当者が障害特性を踏まえた作業指導のポイントを把握した上で作業指導に当たった。
3.生活面などの支援については、障害者就業・生活支援センター職員と連絡を密に取りながら、家庭での状況を把握し課題改善に取組んだ。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

1.ストレスや疲労をできるだけ防ぐため、鉄などの切粉の運搬業務から担当してもらい本人の習熟度などを確認しながら徐々に鉄の磨きや検品など複雑な業務を入れながらステップアップを図った。
2.繁忙期など、勤務調整については、障害者職業センターのジョブコーチのアドバイスを踏まえ、本人の希望を聞きながら負担にならないように取組んだ。

磨き・検品作業

台車

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

1.工場の見取り図に金属片が集まる台車を記入した図面を用意し、台車に何が入っているか分かるよう札で表示することで、金属片の回収、分別の作業手順を分かりやすくした。
2.清掃作業では、フロア専用の立ち乗り機械を導入し、作業への負担軽減を図った。さらに、対象者専用の清掃用具や雨具、ウエストポーチを用意することで物品管理しやすいよう配慮した。

立ち乗り機械清掃作業

金属片が集まる場所を示した工場内図面

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1.突発的な欠勤を少なくするために、事前に指導担当者に通院及び自己都合で休まなければならない日を連絡することや、体調がおもわしくないときには、その場で遠慮することなく指導担当者などに話せる体制作りを行った。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

1.初めての障害者雇用に当たり、各機関のアドバイスを受け、対象者の障害特性を理解し、社長より他の従業員に対して、障害者雇用を始めることの意義を説明してもらい、共通の理解を図った。
2.作業現場の関係者には指導担当者より対象者の障害特性、配慮事項などの詳しい説明を行い理解と配慮をしてもらっている。

その他の配慮

1.障害者職業センターのジョブコーチが支援に入るごとに、ジョブコーチが対象者から苦手な部分や問題点をヒアリングした内容を指導担当者に直接情報を伝えてもらうなどして、必要に応じた対応が取れるよう心掛けている。