募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

• 対象者が清掃作業に関心を持ち、就労支援機関のジョブコーチと相談し、ハローワークとの連携により面接に至った。
• 面接にはジョブコーチも同席し就労にあたっての要望、障害特性、就労上の配慮について事業主に対して説明を行った。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

清掃する現場の社員は6名で、現場のリーダーが業務指導やシフト管理担当者として障害のある社員をフォローしている。
リーダーの相談役は社長が担当し、常に社員との意思疎通を図り親身に対応している。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

作業マニュアルは完備されているが、清掃作業は、朝6時から一斉に行い、その後は人の行き来が多い時間帯を避けて、順次巡回しながら清掃作業を行うこととなる。このため対象者の作業時間帯にリーダーが10日間ほど付いて作業内容や作業時間の配分を細かく指導した。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

作業時間は6時から19時であるが、対象者にとって早朝勤務は体調面からつらいため、9時からの勤務としている。また、休日は全員シフトにより曜日は定まっていないが、対象者に関しては、体調面を考慮して固定の休日としている。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

清掃員のみが利用する休憩場所は地下に設けられている。そこは12畳ほどのスペースに畳敷きとなっており、冷暖房完備、炊事場、ロッカーが設置されている。休憩時間には、談笑しながら和やかな雰囲気で休憩している。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

1.清掃中に体調不良となった場合には、リーダーに申し出て休憩場所で休むことができるほか、当日体調不良で休む場合にも他の社員が応援する態勢を整備している。
2.作業時間は、人の多い時間帯を避けるなど作業環境、作業時間に配慮している。
3.本人の希望を尊重し可能な限り、勤務時間の延長、短縮及び他の職種、職場に配置転換することができる。
4.清掃業務には種々の資格があり、業務上の必要性と対象者の希望により会社負担で資格を取得することができる。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

対象者の体調面や状態については、同じ職場のメンバーに伝え、他の社員が障害に配慮する風土が醸成され、休憩時間は、和やかな雰囲気で歓談している。

その他の配慮

地域障害者職業センター、就労支援機関のジョブコーチ支援を受け職場実習を行い、就労環境に慣れるよう配慮している。具体的なジョブコーチ支援としては、仕事を進める上で、対象者にとってわかりやすい清掃巡回ツールの作成や障害特性（病状）等により就労上の不都合にかかる、会社への橋渡し役などである。