募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

面接時に、就労支援機関の職員や保護者の同席を認めている。

その他の配慮

採用前に対象者の同意を得て、事業所見学と障害者特性の理解と職務とのマッチングを把握するために職場実習を実施した。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

• 正規職員（5名）がスタッフとして業務指導を行う。基本的に速度よりも正確性を重要視した指導を行っている。
• 面談は、定期面談として週2回、別室にてスタッフ輪番制で相談を受ける一方、対象者の希望に添った個別面談を随時行い、気軽にいつでも話ができる環境を整えている。対象者毎に「体調チェックシート」を毎朝作成・申告させて確認し、その日の体調に合わせて個別に業務を調整している。
• 毎週木曜日に20分程度の職員会議を行い、安全衛生・マナー等に関するレクチャーを行うとともに各社員からの意見も出し合っている。（障害のある社員の意見が採用されることも多々ある。）

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

• 対象者毎に業務面や生活面の目標設定を半年毎に行い、面接によりその達成や業務の習熟度をみている。また、習熟度に応じて清掃等の対外的な作業にも従事させることとしている。
• 仕事は 1.書類の電子化作業 、2. パソコンによる入力作業、 3. 封入発送作業 、4. 会議室、ホール等レイアウト変更作業、5. 不要書類、物品の分別廃棄作業、 6. 建物清掃作業、 7.構内 ガーデニング、 8. 美化作業（草引き　落ち葉集め）、 9. 伝票に受付印押印作業の9パターンとし時間割制度を取り入れ、それぞれのパターンを割り振り、対象者個々の習熟度に応じてどのパターンの仕事にも対応できるように工夫している。
• 各人の習熟度の把握はスタッフミーティングにおいて数量化して把握に努めている。習熟が進むと、業務量を増やすだけでなく業務チェックの役割を担うこともある。
• 来訪者の見学対応について、障害のある社員本人が自分が担当している作業の説明を行うことになるため、来訪者に分かりやすい説明をするための練習を行っている。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

• 知的障害の障害特性を踏まえ、「作業手順書」として全ての工程をマニュアル化し、マニュアルには写真や矢印、色分けして視覚的に分かりやすい内容としている。また必要に応じてスキャナーやPC等に作業手順を示すラベルを貼るなどして、誤りを予防している。
• 書類の電子化ではスキャナで電子化したファイルを保存する簡単なソフトの独自製作や、押印の間違い防止マニュアル、パソコンでの入力作業では入構者リストの入力検索ツールの開発など、作業支援ツールを自社作成し作業が間違いなく行えるよう常に改善を心掛けている。
• 上記1〜3作業の内、4種類（書類の電子化、パソコン入力、押印、清掃等）を毎日行う仕事として各コマに配し、80〜90分の作業を1コマと考えコマ毎に休憩時間を設けるとともに同じ種類の作業を連続して行わないようシフトを組んでいる。他の5種類は臨時的に行う仕事として、事務的な仕事、体を動かす仕事を織り交ぜ、集中力が途切れないよう、休憩や体操、話合いを効果的に配分した時間割となっている。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

• 体調への配慮は上記のように「体調チェックシート」を作成させ、対象者自身が気付いていない変化の有無にも注意している。特に熱中症の予防、インフルエンザ早期発見等に役立っている。業務日報（パルテ日記）を帰宅後作成。翌日提出し担当が確認することで、生活面での課題点の早期発見に役立てている。
• 昼食は障害のない社員と同様に食堂でとり、休憩時間は自由に構内散策や構外一周ウォーキング等を行うなど、自由な雰囲気の一方、ちょっとした変化に気づけるような配慮がされている。
• 時間割制度できちんと管理され1コマ目：9時00分〜10時30分、2コマ目：10時40分〜12時00分、体操・清掃：13時00分〜13時15分、3コマ目：13時20分〜15時00分、4コマ目：15時10分〜16時40分、終礼：16時45分、17時00分には退社するという規則正しい生活になっている。
• 通勤については、電車等の本数が少ないため　同じ電車で通勤し、退勤することになっており　同僚同士の協力がみられる。
• 生活面では主に障害者就業生活・支援センター（以下「支援センター」という。）の協力のもと体制を整えている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

対外的な業務はなく、基本的には施設内において作業が完結しているため、他の従業員に対して障害の内容や必要な配慮等を説明する必要はない。

その他の配慮

毎月の面談や日々の業務において会社では対応しきれない課題やその可能性が明らかとなった場合は、支援センターや地域障害者職業センターと連携し、ケース会議を開催し対応している。また、これ以外にも支援機関との情報共有会議を年2回程度、支援機関及び保護者が出席する「交流会」を年1回程度開催し、関係者の情報共有を図っている。