募集・採用時の合理的配慮

募集内容について、音声等で提供すること

募集内容の説明に関しては、採用担当者が対象者の在学する学校へ出向き担任教諭も同席の上で行った。また、その際には、口頭説明と併せ、CDを音声読み上げソフトで音声化し、募集内容の説明を行った。

採用試験について、点字や音声等による実施や、試験時間の延長を行うこと

採用試験も在学中の学校内で行い、試験問題はパソコンで読み上げが可能となるように電子データとして提供した。また、回答もパソコンにて入力できるようにした。

その他の配慮

入社前にインターンシップとして、1週間程度出社し、実際に作業してもらい、対象者本人と会社双方で作業内容や作業環境について、確認を行った。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

• 入社後1年間は、専属のチューター(役職：主査、経験：SE歴20年以上）を定めて、業務やそれ以外の（プライベートも含めて）相談をしやすい体制をとった。また、週に一度、障害者職業生活相談員によるカウンセリングを受けることが可能となっている。
• 作業指示については、口頭およびメール、インスタントメッセージソフトを利用している。また、全社内連絡はグループウェアを利用している。
• 対象者の席は、直接指示をする社員の隣に配置し、すぐに相談できるように配慮している。

拡大文字、音声ソフト等の活用により業務が遂行できるようにすること

• 業務遂行上の配慮として、拡大鏡（Windows OS）、スクリーンリーダー（PC-TALKER）、活字読み上げソフト（Myread7）、スキャナ（EPSON GT-S650C7）、画面拡大iPad、スクリーンリーダ拡大鏡などを整備した。なお、スクリーンリーダについては、電子メール、グループウェア、プログラミングなどパソコン全般の利用の際にも活用している。
• 活字読み上げソフト、スキャナについては電子化できない書籍、技術雑誌類の読み上げに利用している。また、スクリーンリーダーを有効化したiPad、ノートPCで会議の資料を事前に確認したり、内容をメモするために利用している。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

勤務時間は障害のない社員と同じ8時30分〜17時30分。体調管理は基本的に対象者本人に任せているが月に一度、産業医による健康相談を行えるよう相談日を設けている。また、障害のある社員は、本人の希望により時差出勤や時短勤務が認められている。

職場内の机等の配置、危険箇所を事前に確認すること

室内の机、いす等の配置を変えるときは事前に障害のある社員の意見を聞き、作業しやすいレイアウトに配慮している。また、常にいすの出しっぱなしなどがないように周知・徹底を図っている。

移動の支障となる物を通路に置かない、机の配置や打合せ場所を工夫する等により職場内での移動の負担を軽減すること

廊下や階段は広めに設計され手すりも設置している。入館時のセキュリティーチェックについては、暗証番号のボタンを押す方式からカードをかざす方式に変更した。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

「中央障害者雇用情報センター」より視覚障害者の介助や理解に関するDVDを借り受け、全社員を対象とした社内研修を行った。また、対象者が苦手としていることなどの聞き取りを行い、把握した内容に関して、接することが多い部内の社員に対して周知を行っている。

その他の配慮

入社して3年目となり、ほとんどのことが対象者自身でできる状態であるため「特定の介助者」などの任命は行っていない。関わっているプロジェクトのメンバーが成果物の確認をしたり、席が近くの社員が手書きが必要な文書の確認を行ったりしている。