募集・採用時の合理的配慮

その他の配慮

両親とも面談を重ね、障害者就業・生活支援センター（以下「支援センター」という。）主任就労支援ワーカーから障害特性や就労上の配慮点について説明を受けた。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1.対象者の属する現場のリーダーを職場支援従事者とした。また、同社としては精神障害者の雇用が初めてであったこともあり、支援センター主任就労支援ワーカーからのアドバイスを得ながら対象者への作業指導を行った。
2.作業面以外の相談については、人事の採用担当者が定期的に相談する機会を設けた。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

1.採用当初には、対象者用に作業手順書と作業スケジュール表を作成し、対象者に提示した。
ただし、細かな手順等は示さず、対象者に配慮しつつ、本人の希望や意見を丁寧に聞くことから入り、仕事に慣れてくることで対象者自らが手順を変えたり、改善提案を申し出るまでになった。
施設の厨房作業については対象者も自信を持って行っているので、現在では全てを任せている。
2.障害特性上、必要以上にミスを気にしたり、自分の意見が通らない場合等、対象者が終日落ち込むこともあるため、現場リーダーは普段から対象者からの相談をこまめに受け、細かなミスをした場合などにも落ち込まないよう励ましてきた。
また、これまでの業務を振り返るなかで、必要に応じて支援センターから補足的なアドバイスをもらった。

作業の様子（1）

作業の様子（2）

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1.毎朝4時に起床するなどの時間に厳格な対象者の生活リズムを考慮し、朝7時からの早番で固定とし、現在まで無遅刻出勤が続いている。
2.対象者の通院は4週間に1度の頻度だが、業務終業後に通院しているため休暇や早退などの配慮は必要なかった。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

対象者からの希望もあり、障害のない職員と分け隔てなく処遇することにしたことから、特別な休憩場所は用意せず、職員共用の更衣室等を休憩場所にしている。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

同社としては採用時には8時間勤務を希望していたが、慣れない環境、仕事及び人間関係等による緊張から生じる疲労度を勘案し、採用当初、対象者については1日4時間勤務とした。
その後、対象者が仕事や職場環境に慣れるに従い、勤務時間の延長を検討。
家族とも協議しながら、現在は対象者本人が希望した1日6時間の週5日（週30時間）勤務としている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

支援センターからの助言に従い、他の労働者に対しては、対象者の障害特性等を事前に説明し、障害に対する理解を深めてもらった。

その他の配慮

1.対象者については、職場施設を利用する高齢者からも温かい目で見てもらえるなど、和やかな職場の雰囲気が醸成されている。
2.支援センター主任就労支援ワーカーが定期的にサポートしており、採用当初からの関係も続いている。