募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

職場実習（以下「実習」という。）ではわからない点があるため、特別支援学校及び就労支援事業所、就業・生活支援センターといった関係機関職員の同席を認めている。

その他の配慮

• 採用の前段階で2週間ほど実習を実施した。仕事を継続するためには、職場とのマッチングが非常に重要であることから、対象者と職場、人間関係（関わりあい）、仕事とのマッチングを重点的に確認し、当該業務との適性を見極めかつ、対象者に合った仕事、成長の可能性を広げられるよう配慮を行った。
• 対象者の就労継続（職場定着）には、保護者等の支援が必要であること。また、特別支援学校等の関係機関の継続的な支援が必要な場合があることを考慮し、採用を行うに当たっては、家族等保護者及び関係機関等の職員に原則としてご同行いただき、継続的な支援の必要性を確認した。
• なお、対象者の生活環境（家庭環境）等が就労を続ける上で支障となることが懸念される場合には、グループホームにつなげた事例もあった。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

円滑に業務を行うために、入社16年目となる知的障害のある社員が職場リーダーとして後輩の知的障害のある社員に対して指示出しを行い業務をすすめている。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

• 基本的に一人ひとり処理能力のペースに任せている。
• また、1日の終わりは業務日誌を書き、週に1度は週報を書くことで日々の業務内容、処理量や気づきを報告している。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

• 作業を行うにあたって、手本として作業を見せ、対象者が実際に行い、間違えていればその場で指導し、わからない場合は再度確認してもらう指導を行っている（OJT）。
• 対象者の職業適性などに応じて作業の割り振りを行っている。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

現在、定期的な通院が必要な対象者がいるわけではないが、病院受診や体調不良の必要が生じた場合には、いつでも休みを取れる職場環境、勤務体制にしている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

職場全体が障害のある社員に対して配慮が必要であるとの前提のうえで、障害があることについて特別視せずに職場の一員として接するよう心がけているため、障害特性についての学習会や研修を実施するといったことはしていない。

また、新聞の読み合わせ、算数及び美術の学習、1か月の目標決定、業務の改善案の検討などの学習会を通常業務前に知的障害のある社員が中心となるチームが行っており、そのことで対象者本人の自発的な行動を促すとともに、職場における配慮の一助となっている。

その他の配慮

• 職場において、その場にそぐわない発言があったり、職場のルールについて一部逸脱したり、不適切な身だしなみがあった場合には、対象者への直接指導や保護者にも報告し改善に向けた協力を依頼している。
  併せて、対象者自身にとって、何が原因でそのようになったのかを考えるようにして対処している。
• 長期継続的な就労にあって健康管理が大事な要素の一つであることから、事業所内にいる管理栄養士が、一人暮らしの障害のある社員に対しては、「栄養バランスが偏っていないか」などに関して指導した事例もある。