事業所外観

1．事業所の概要、障害者雇用の経緯

当工場は、漫画「釣りキチ三平」のふるさと、映画「リンゴの唄」の撮影の舞台となった横手市内でも有名なリンゴの産地の一角に位置している。

昭和55（1980）年に現会長が自宅で沓澤製作所として創業し、今年で創業から38年目を迎える。

地元、そして日本の産業に貢献できる加工技術の提供をモットーに主に産業用機械の金属部品加工を行ってきた。平成20（2008）年に神戸市北区に神戸工場を設立。更に、平成28（2016）年には、新たな事業への取組としてロボット事業へ参入するとともに、中国の蘇州市に現地法人を設立など日本と中国でのロボット事業におけるシステムインテグレーターとしてこの事業に取り組んでいる。

障害者雇用への取組は、現社長の「地元へ貢献できる企業」「新たな取組へチャレンジする」という考えにより平成28（2016）年に初めての雇用となった。

現在は障害のある従業員の職場定着と教育に力を注いでいるところである。

2．障害者の従事業務、職場配置

現在、障害のある従業員は2名いるが、まずは定着を第一の目標とし、個々の障害状況及び性格を考慮した教育スケジュールに徹し、同時にジョブコーチ支援も活用した。

現場研修担当者・ジョブコーチ・指導担当者と連携を取ることで、個々の能力に合わせたフォロー体制を取り教育にあたっている。

従事業務は、部品加工オペレーターや清掃、加工の補助的作業、材料の搬入等である。

特に精神障害のある従業員は、職場と業務上のコミュニケーションの不安を解消できたことにより加工オペレーターから加工技能士しての教育が進んでおり、技能試験の取得も目標に業務に取り組んでいる。

清掃中のOさん

技能士を目指す加工中のYさん

3．取組の内容と効果

初めての取組であったため、まずは受け入れに当たって他の従業員への周知に気を配った。雇用される障害者自身もさることながら、受け入れる側の従業員も対応の仕方に不安を感じており、双方の不安を解消するためには、ジョブコーチ支援の効果が高かった。

主に精神障害のある従業員に対する配慮として、ヒアリング時間を毎日設け、職場の人間関係及び業務上のコミュニケーションに対する不安を早期に解消することに努めた。ジョブコーチ支援もコミュニケーション面のフォローを重点的に行ってもらうことにより、ヒアリングだけでは、解消しきれなかった問題点の早期解決に繋げることができた。

また、ヒアリングにより明確になった2名の問題点を現場の研修担当者へフィードバックすることにより、問題点の早期改善に効果を得ている。

4．今後の取組、課題、展望

現在、当社で働いている2名の障害のある従業員は、まだ勤続が1年に満たないため、今後も職場定着に向けての継続的な取組が必要となる。

今後も各支援機関と連携を取り、個々の障害特性に合わせた柔軟なフォロー体制により職場定着に取り組んでいきたい。

また、我が社の社是でもある「求めよ、さらば与えられん」の言葉通り、全ての従業員が平等にチャレンジできる社風をモットーに、障害者雇用においても、働く意欲のある人に対してより多くのチャンスを提供できる企業となるよう今後も意欲的に取り組んでいきたい。

執筆者：株式会社クツザワ　財務課　課長　藤本　千波