募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

地域障害者職業センターの職員が面接に同行することを認め、対象者の不安の軽減を図った。

その他の配慮

対象者のスキルに合わせた業務内容を面接を通して検討した。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

対象者は、大人数の中が苦手であるため、担当者として、所属部署の上司を配置した。また、座席についても担当者の前に配置し、何かあったときには、すぐに相談できるように配慮した。初めの3か月はジョブコーチ支援を利用し、対象者の不安の解消に努めた。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示をひとつずつ出す、作業手順をわかりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

採用してしばらくはファイリング作業のみを行っていた。1年ほど経ち業務にも慣れてきたことから、発送作業も実施することとなった。作業手順に不安があったため、対象者が分かりやすくなるように作業マニュアルを作成した。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

対象者が疲れやすいことに配慮し、採用当初は、1日4時間（10時～15時、休憩1時間、週20時間）の勤務から始めた。1年ほど経ち、職場環境にも慣れたと考えられたため、勤務時間について1時間延長し、1日5時間の勤務とした。また、1時間ごとに5分程度の休憩をとることも可能となるよう配慮した。通院等に対する休暇も適宜とれるように配慮しているが、対象者は、土曜日、日曜日などの休日に通院している。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

休憩場所については、他社員と同様に社内外で自由に過ごすことが可能となっている。対象者は社員の少ない静かな部屋(ミーティングブース）にて昼食をとるなどして過ごしていることが多い。また、体調が悪くなったときに短い休憩をとる場合も、他の社員がいない休憩室で自由に過ごせるよう配慮されている。

本人の負担の程度に応じ、業務量等を調整すること

対象者の障害特性や作業能力等を踏まえ、軽作業を中心とした業務内容としている。就労経験が少ないため、業務に追われすぎないような業務量となるよう配慮している。勤務時間の延長及び発送作業を追加する際には、ジョブコーチに作業への適応状況を確認してもらい対象者本人の意向を確認しながら行った。パソコン業務が苦手ではあるが、本人からうまくなりたいとの希望が出ていることから、パソコン操作についても業務の中で少しずつ指導を行っている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

採用時に対象者の障害特性について、他の社員へ伝えることを確認し、了承を得た。実際には、同じ部署内の社員（30名程度）に説明を行い、周囲の理解を得ている。見た目からは障害が分かりにくいため、対象者の状況を伝えることで、円滑な対人関係ができた。

その他の配慮

定期的に面談を実施している。初めは毎月のペースであったが、現在は2～3か月に1回のペースとなっている。