募集・採用時の合理的配慮

面接の際にできるだけ移動が少なくて済むようにすること

特段なし。

その他の配慮

• 採用後に考えられる介助や配慮等の人的支援のほか、机、事務機器や入退室用セキュリティカード読取機の高さ、移動時に段差や間口等の不具合な箇所がないかなどの物理的環境整備についての対象者からの聞取り、確認などの合理的配慮の提供に向けた具体的な計画を作成した。
• 対象者から希望のあった独身寮への入寮を前向きに検討し、対象者の障害特性に合わせた環境整備の必要性から、対象者及び家族の独身寮の事前見学、対象者サイドからの意見を参考に寮内の整備等、入寮準備を行った。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

• 対象者への業務指導については、あえて担当者を固定化することなく、対象者は業務担当者全体から指示を仰ぐこととしたが、不測の事態や課題が生じた場合には、所属部署から随時相談や報告が受けられるような体制を整備し、部署内での情報共有等を行った。
• 就労や生活に不安やストレスがないよう、人事部門の障害者雇用担当者に加え、所属長へもいつでも相談できる体制を整備したほか、対象者の不安や遠慮等の精神的負担を軽減するために、周囲から積極的な声かけや口頭で業務内容についてやりとりするなどでコミュニケーションを取るよう心がけている。
• 体調や就労に関することについては、半年に1回の定期面談の実施や、いつでも所属長や障害者雇用担当者へ相談ができる体制を整備した。
• 入社後に地域障害者職業センターのジョブコーチ支援を活用。その後、地元の障害者就業・生活支援センターと連携しながら就労や生活の支援方法について、いつでも相談できるよう連携体制を整備した。

移動の支障となる物を通路に置かない、机の配置や打合せ場所を工夫する等により職場内での移動の負担を軽減すること

• 前述の募集・採用時に作成した計画に基づき、採用内定後、入社前に対象者に来社を求め、移動時の支障となる箇所、また移動時のスペースが十分に確保できるかなどの聞き取りを行った。
• 就労場所のフロアには障害者用トイレが整備されていないため、1階へ移動しての使用となるが、車イスから便座へ移乗する際の衣服の引っかかりや転倒、落下するなどのリスクがあるため、社内用のPHSを本人に持たせ、所属部署へ連絡することで緊急事態にも対応できるように配慮した。（トイレ以外の移動でも活用。）

机の高さを調節すること等作業を可能にする工夫を行うこと

就労場所で使用する机やその他の設備の整備についても、事前の対象者来社による、高さや各部署への出入り・移動等について業務を行う上での不具合等がないかの確認を、事業所の担当者と共に実地に確認を行い、職場環境設備の改善を行った。具体的には、セキュリティカード読取機を車いすでも使用できるように高さを調整し、新しい電気錠を設置した。また、就労場所のコピー機が手の届く高さでなかったため、車いすでも手が届くように高さ調節を行った。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

体調不良や不測の事態が起こった場合には、所属部署や障害者雇用担当者が対応できる体制を整備した。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

配属先部署の従業員を対象とした社内研修を実施するなど、障害者雇用に対する理解が深まるように努めた。

その他の配慮

＜障害特性を配慮した生活環境と生活支援の整備＞

1. 通勤環境の整備は不可欠であったため、本人に相談しながら、これまで実績が無かった介護タクシーを利用した通勤方法を取ることにした。そこで事業所が地元のタクシー会社と契約を交わし、契約内容の取り決めを行い、毎日安全に通勤できる手段を確保した。
2. 独身寮の利用についても事業所として許可することとし、寮生活での配慮として、車イスではトイレの間口が狭かったため、扉を外すことで動線を確保し、スムーズに移動できるよう整備した。
3. 日常生活において不可欠である生活介助については、福祉制度の介護サービスを利用することとなり、事業所としても協力することとし、担当部署および独身寮担当部署が調整を図りながら、対象者が主体となり介護事業者と詳細を取り決め、進めていった。出勤前の準備として7：00～8：00の1時間と帰寮後の18：15～20：00の1時間45分で着替えの介助や洗濯、室内の清掃、入浴介助等を介護ヘルパーが行うこととし、職業生活を維持するための環境整備がなされた。
4. 介護ヘルパーによる入浴介助をしやすくするための配慮（男性ヘルパーの場合には大浴場、女性の場合には社員の家族が寮訪問時に利用する家族用を利用）も実施した。

＜職場環境の整備等に関すること＞

1. 職場内での移動や業務においても基本的に自力でできるものは、自分で行ってもらうことで、個人が能力を発揮できる、自己実現できる環境作りを心掛けた。
2. 既存の職務内容を固定的に考えず、職務内容の組合せや工程を変えるなどにより、遂行可能な職務を再構成するような工夫を心がけた。
3. 昼食は社員食堂を利用しているが、配膳、片付けが困難であるため、昼食時は職場の同僚が自主的に介助や配膳、片付け等の配慮を行っている。
4. 配置については、本人の能力が発揮できるよう学んできたパソコンスキルを活かせる業務とした。