募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

勤続30年（昭和62（1987）年入社）の2名を筆頭に、全員が勤続15年以上であり募集・採用時の具体的な配慮事項等については確認できず。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

対象者に係る相談については、所属部署（製造部）の職長、係長などが担当している。また、業務指導等については、周りの従業員（同僚）がそれとなくフォローをする環境ができており、定期的な声かけ、作業状況の確認などを行っている。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

• 対象者全員が入社以来同じ作業に従事しているため、「その日やるべき作業」を理解すれば黙々と取り組んでいる。
• 業務量を増やす場合には、最初から「できない」と決めつけないで、まずは実際にやってみて、うまくいかないところを「どうやったらクリアできるか」を考え、適宜調整する。また、うまく作業が進んだときは「できたね」「すごいね」と声をかけ、対象者本人の自信や意欲につなげるよう心がけている。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

• 業務指示については、言葉や文字、写真ではなく、実物を実際に示しながら行っている。
• 作業単位を「10個を1セット」とするなど、わかりやすい作業内容とするとともに、作業チェックシートを使いどの作業が「どこまで進んだか」「どこで間違ったか」を見えるかたち（可視化)で確認できるようにしている。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

• 勤務時間については、ほかの社員と同様に、7時～16時である。また、昼の休憩は、11時30分～12時10分のほか、午前と午後に15分ずつの休憩がある。基本的には週休二日で、繁忙期には土曜日出勤することもある。
• 障害の有無にかかわらず「同じ職場の仲間（同僚）」としてお互いを受け入れている。休憩時間も一緒に過ごし、会社のイベントにも参加。休日に他社員と一緒に趣味を楽しむなど、プライベートでの付き合いもある。
• 通勤方法は、自家用車、自転車、電車（最寄駅から社員が車でピックアップ）、送迎バスの利用など様々であるが、送迎バスの運転は製造部の職長（あるいは総務部部長）が行なっている。こうしたフォロー体制が長期にわたる継続勤務を支えている。

送迎バス

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

勤続年数が長いこともあり、障害特性について改まった説明等はしていない。周りの社員よりもベテランである障害のある社員を、同僚として「あたりまえ」に受け入れる職場環境ができている。

その他の配慮

5人とも仕事に対する意欲や責任感があり、休んだこともほとんどない。その反面「仕事で認められたい」という思いが強く、お互いをライバル視しているところがある。こうしたライバル意識に配慮して、公平に接すことを心がけているほか、相手を見下すなどの行為を見かけたら、その場で「それはしてはいけない」と注意をするようにしている。