募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

障害者就業・生活支援センター（以下「支援センター」という。）の就業支援ワーカーの同席を得た。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 企業在籍型職場適応援助者（ジョブコーチ）を配置している。地域障害者職業センター（以下「職業センター」という。）の協力を得て、職業センターのジョブコーチとのペアによる3か月間の支援を実施。
2. 定期的に面談（本人との話し合い、周囲の人との話し合い、支援センターを交えたケース会議）を実施し、その他の支援が必要なときには都度面談を行う。
3. 対象者が感情的になってしまったときには、その感情が出てきたプロセスをよく聞き、対象者自身の認知の偏りに気付かせる。また、対象者がうまくコントロールできない部分があれば上司が中心になり受け止め、周囲との関係が円滑になるための調整を行う。
4. 対象者がどのような考えから行動に至ったのか、何が困っているのか等、気持ちや行動を推し量り、一般論に当てはめるのではなく、対象者に合った対応を心がけている。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

1. 対象者に応じて職務を考慮することとし、障害特性により電話対応が苦手なため、電話は取らなくて良いこととしたが、社内電話に限定して取り次げるよう段階的に職務拡大に向けた支援を行った。
2. 一度に複数の指示をせず、業務の指示はその場その場で行っている。
3. 「正しい、正しくない、こうしなければならない」という言い方はせず、より良いやり方を提案し、対象者自身で選択してもらうようにしている。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 症状安定のため、精神科の定期通院のための有給休暇を確実に取得できるように配慮する。
2. 定時出勤・定時休憩・定時退社を原則とし、残業は原則させない。

感覚過敏を緩和するため、サングラスの着用や耳栓の使用を認める等の対応を行うこと

特に対応なし。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

作業面（指示理解、「報・連・相」、作業の確実性等）や職場適応面（コミュニケーション、情報安定等）での課題が予見されることから、周りの従業員に対し、そうしたことが生ずる背景や対応について、以下の説明を行っている。

1. 対象者は「困った人」ではなく「困っている人」なのだということを周囲に理解してもらうために、障害は心ではなく脳にあることを伝えている。すなわち、対象者の言動を気質や性格に起因させるのではなく、「認知機能の障害」なのだという認識を持ってもらう。
2. 仕事上のミス等が生じた場合には、対象者に理由・原因を聞くのではなく、「正しいやり方」を示すことを、実際に起こったケースをもとに説明し、実践を求めている。
3. 周囲が戸惑うような言動についても、周囲の者にはその都度その特性について説明をし、理解を促すとともに特性に応じた指示や接し方（例：同時に複数の指示や話題は出さない。等）を具体的に伝え、対応するよう指示している。
4. さらに、対象者への指示・指導状況や対象者自身の努力・取組状況等とその効果についても、社内の関係者にフィードバックすることとしており、対象者への理解、会社の方針と取組についての情報共有、共通理解を進めることにつながっている。