募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

対象者は、地域障害者職業センター（以下「職業センター」という。）から紹介を受けたことから、同センターのジョブコーチが同席した。

その他の配慮

採用面接を行う前に1週間程度の業務体験を実施し、体験期間中は、職業センターのジョブコーチが支援を行った。業務体験の実施により、対象者本人も事業所側もある程度、仕事への適応性が分かるので、お互い合意すれば、採用面接へ進むようにしている。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

• 対象者は、各病棟の看護補助者（以下「ヘルパー」という。）の指導の下に、病室内の床清掃を行うようにしている。ヘルパーにとっても対象者が床清掃を行うことにより、患者のシーツ交換、清拭、入浴等に専念ができるメリットがあるのでお互いに良きパートナーとして仕事に従事することができている。なお、対象者にとって、なんでも気軽に相談できる母親的存在であるヘルパーを指導者として配置した。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

対象者の業務に対する理解を促すために、職業センターのジョブコーチが作成した「注意事項」等を活用しながら指示だしを行い理解の程度に応じて段階的に業務量を増やしている。また、清掃作業に課題がある場合には、対象者の清掃場面をとおして具体的に個々の指導を行うように心がけている。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

対象者個々に差異はあるが、患者が施術中のため床の清掃作業ができない場合には、後で作業をすることにしているが、作業忘れの防止策として清掃の終わった部屋は、「チェック表」を活用してチェックするようにし、対象者が帰宅する前に管理者が確認することにしている。また、職業センターのジョブコーチが、対象者の支援を行う中で把握した作業遂行上の課題・留意点をまとめた「注意事項」を作成し、各自に所持させるようにしている。

作業手順及びチェック表
注）チェック後に印（／）を記入

ベッド柵ふき掃除のポイント
（注意事項）

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

• 勤務時間は、対象者の住まいや交通手段に配慮して個別に定めている。（なお、全員が公共交通機関を利用している。ただし、土曜日の勤務の場合には、運行本数が少ないためにタクシーを利用する場合もある。）
  ○具体的な勤務時間　1、9時00分～14時40分　2、9時00分～15時30分　3、9時00分～16時00分
• 勤務時間中に体調不良となった場合には、ベッドで休んでもらい必要に応じて同病院で外来受診も行っている。また、毎日の体調に関しては、各師長（看護師資格者）が本人の顔色を確認するようにしている。
• 対象者の通院に関しては、年次有給休暇を取得している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

対象者の障害特性等については、各師長には開示している。

その他の配慮

対象者のインフルエンザ等の感染症の防止のため、手洗い及びうがいの励行、手袋の着用、交換を行うように常に指導している。