募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

特別支援学校（養護学校）の紹介により採用した。

その他の配慮

特別支援学校（養護学校）より障害特性やコミュニケーションの取りかた、就労上の配慮点についても説明を受けた。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

• 作業については、現場責任者から指示を出すようにし、慣れるまでは複数の社員で作業を行う工程の担当とした。
• 業務以外の相談等については、現場のリーダー、社長が随時、受けることとした。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

• 従前からマニュアルは整備しておらず、また、障害のある社員の雇用についても初めてであったため、全てがゼロからの始まりであった。このため、対象者の作業については、まず、複数の社員で作業する工程を担当してもらい、同僚について作業に慣れてもらうことから始めた。
• 詳細な作業内容については、同僚等との筆談やジェスチャー等を使って教え、覚えてもらった。
  また、その工程での完成物については、現場責任者並びに社長が最終確認することとし、その完成物を「見ること」、「触ること」及び「味わうこと」で覚えてもらった。
• 対象者本人が就業前からケーキやお菓子作りに興味を持っていたためか、勤務態度も真面目で、仕事を覚えることも早い。
• 周囲の社員が当初心配していた程、コミュニケーションがとれないこともなく、対象者自身から申し出ることもあるなど仕事をする上では心配する点や特段の配慮を必要としない状況にある。

作業の様子

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

• 勤務時間については、自宅から勤務地までが離れていること、公共交通機関の便が悪いこと、運転免許を取得していないことなどに配慮し、11時から16時までとした。
• 採用当初は、家族が同伴で通勤したが、直ぐに慣れ、対象者一人で通勤するようになった。また、欠勤、遅刻することは今までない。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

• 職場環境面での配慮は特段必要としないため、他の社員と分け隔てなく、社員共用の更衣室等を休憩場所として使用してもらっている。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

• 採用当初は、全く初めての作業ということで、下地作りなど、複数の社員で作業する工程を担当してもらい、体験することで直にその作業を覚えてもらった。
• 慣れた頃から一人で担当する作業を任せるようにし、徐々にその担当する作業を増やしていった。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

• 同社にとっては初めての障害のある社員の雇用ということもあり、現場の社員からは不安や作業効率が落ちるのではないかなどの心配の声があったため、対象者が就職する前に、社員に対して聴覚障害に係る障害特性等についての説明を数回行った。

その他の配慮

• 対象者の出身特別支援学校（養護学校）には、定期的に訪問する機会があるため、その際には担当していた先生に、現状を報告している。