募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

面接試験では、対象者の他にその家族にも同席を得て、雇用条件の確認等を行った。また、ジョブコーチ支援を利用することから、ジョブコーチも同席し、支援に向けた通勤方法等の確認を行った。

その他の配慮

• 特別支援学校の担当教諭に予め対象者の障害特性、性格、コミュニケーション能力等について確認するとともに、障害特性等を考慮するとどのような仕事を希望するかの確認を行い、配属先を決める際の参考とした。
• 採用選考においても、面接の他に職場実習の状況を踏まえることで、対象者の就労意思、障害特性や職務遂行可能性等を実務的に把握し、選考に活かした（職場実習については、「採用後の合理的配慮」の「その他の配慮」を参照）。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

業務指導は直属の上長が担当である。相談に関しては、上長を担当者として定めているが、その他に、外部の支援機関として、特別支援学校、地域障害者職業センター（以下「職業センター」という。）、障害者就業・生活支援センター（以下「支援センター」という。）にサポートを依頼している。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

上長が予め、8時30分から17時00分までの1日分及び、月曜日から金曜日まで1週間分の作業スケジュールを作成し、仕事の指導を行っている。また、職業センター、支援センターの支援により対象者の作業マニュアルを作成している。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

対象者については特別の配慮はしていない。しかし、障害者の雇用については、各人の障害状況、通院の必要性などに応じて、業務時間、休憩の設定、通院・服薬、緊急時対応などについて、各部署で柔軟に調整を行っている。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

休憩、昼食時間の制約はなく、休憩場所についても、特に定めないで休憩室や自分の机など、対象者が落ち着く場所で休憩が取れるように配慮している。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

実際の仕事を始めてから2～3か月の期間において、仕事量が目標を達成しているかどうかを判断している。達成していない場合は、対象者と相談の上、仕事量や職種の見直しを行っている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

対象者の障害状況については、仕事をするために周りの職員の理解が必要となるため、対象者及び家族の了解を得た上で、障害の種別と程度を関係部署に伝えている。

その他の配慮

• 対象者に応じた適切な配慮等のため、障害のある職員の直属の上長が異動する場合には、当該職員の状況等を必ず引き継ぐこととしている。
• 事業所では特別支援学校高等部の生徒の職場実習についても協力しており、一人の生徒について1年生から3年生の間に複数回の実習を受け入れている。採用選考においては、応募者である生徒については、面接の他に一週間程度の実習を実施し適性等を把握し、採否を検討している。対象者の場合にも、前者の実習として3週間程度の実習を2回実施したほか、後者の実習を1回実施した。