募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

ジョブコーチと保護者の同席を認めた。

その他の配慮

ジョブコーチから離職の経緯や就労上の課題を確認をしたところ、コミュニケーションが苦手であることが一因であることが判明した。このため、人と関わる機会が少なく、対象者本人も希望した調理補助業務でのトライアル雇用を実施した。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

総合的な相談・指導は、勤続37年の調理場責任者が行い、現場での直接的な業務指導・支援は、勤続15年の先輩スタッフが行っている。
基本的には、先輩スタッフとペアを組み業務を行うこととしているが、先輩スタッフとシフトが合わないときには、他のスタッフがフォローしている。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

• 入社して2、3年ほどは、計量作業を苦手とし、常にスタッフが見守る体制をとっていたが、現在は一人で作業をこなしている。
• 対象者自身、得意・不得意とする作業が理解できており、みじん切り、乱切りなどの複雑な切り込み作業は、他のスタッフが担当し、単純な切り込み作業は、対象者が行っている。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

調理場全体の作業手順のマニュアルがあり、写真・番号等で分かりやすく作成されている。その中でも、特に苦手とする計量作業は、対象者自身が独自でマニュアルを作成しミスのないよう工夫している。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

• 対象者の体力面等を考慮し、短時間勤務としている。
• 業務中に体調が悪くなった場合には、調理場責任者が保護者に連絡し、対応方法などを確認している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

調理場においては、対象者の得意・不得意な作業や配慮事項、緊急時の対応方法などに関して、他の従業員に対して周知している。

その他の配慮

• 調理補助という業務の性格上、業務前に白衣・帽子をきちんと着用することになっているが、対象者は、帽子から髪の毛が出たままになっていることが頻繁にある。このため対象者に対して、その都度声かけをして、髪の毛の整え方を鏡の前で確認しながら個別指導を行っている。
• 対象者が集中して作業できるよう専用の作業台を設置し、調理器具は対象者本人が使いやすい物を持ち込むことを認めるなどの配慮を行っている。
• 通常の作業手順が変更になる場合は、対象者の障害特性を考慮して、パニックにならないよう変更箇所を予め説明するなどの配慮を行っている。