就労支援機関（就労移行支援事業所。以下「支援事業所」という。）の利用者であり、支援事業所から、事前に情報提供を受けた。面接は対象者本人と行い、支援者の同席はなかった。
なお、本事例の事業所（以下「同法人」という。）での作業体験、職場実習にて実際の現場で業務経験した上で採用となっている。

面接に先立ち、作業体験（職場見学と4日間の作業体験）を行った。面接後には職場実習（2週間）を実施した。体験・実習とも支援事業所と連携しており、実施の際には支援事業所からの支援者が同行や支援を行った。
体験・実習終了後は、支援事業所において、支援者と同法人の担当者による振り返り等を実施。
実習等の状況を踏まえて採用することとし、採用後も支援事業所の支援者と同法人の担当者とは情報共有を行い、対象者の状況把握と相談・支援等を進めている。

対象者の配属された現場の介護員リーダーを指導担当者とした。

同法人と支援者は協力し、対象者向けに作成した作業日報（その日の作業日程やチェック項目等を記載したもので、詳しくは見本を参照）に沿って対象者は作業を行うようにしている。

作業日報の見本

体調管理のため、通院等は遠慮なく申し出るように声掛けしている。
本人に無理のない勤務時間として、フルタイムの勤務ではなく、一日6時間を目途として勤務時間を決めている。

他の職員と同じ休憩場所となっているが、休憩中は他の職員のことは気にせず、自分の好きなように過ごして良いことを伝えている。また、ゆっくり休憩時間が取れるよう、他の職員と変わりない環境づくりにも職員間で心掛けている。

作業スピードは本人に任せて、時々確認をすることとしている。支援事業所とは必要に応じてケース会議を開催しており、ケース会議を通じて、勤務状況の把握や業務内容・業務量を調整する体制を整えている。

業務上で対象者に接することが多い職員に対して、障害の特性を伝えるとともに、具体的な対応方法（作業では急がせないこと、ゆっくり、話を聞くときは手を止めて対応する）を伝え、対応させている。

本人を不安にさせないように、声掛けをたくさんするようにしている。和やかな職場の雰囲気となるよう職員達が心掛けるようにしている。