面接における特別の配慮はしていない。

応募時は特別支援学校の生徒であり、家族も同行した事業所見学と業務説明会を経た後、2週間の「就業トライアル」（職場実習）を実施。その後、面接を実施し、対象者の意向などを確認したうえで採用を決定。ただし、新卒者であり、また、障害特性等の課題があることから、採用時から地域障害者職業センター（以下「センター」という。）のジョブコーチ支援を活用した。
なお、採用後の5か月間は4種類の異なる業務を体験し、配属先を決定した。詳細は以下に記載。

指導・相談役として、配属先の担当課長及び業務指導担当者を定めた。総務人事担当も、折に触れて配属先に直接足を運び、本人の仕事ぶりをモニターしたり、指導・相談役との話し合いをすることで指導に関与した。

・担当業務と職場配置については、本人の意向や適性を踏まえて行うこととし、採用後5か月間で4つの異なる業務を経験させた。経験させた業務は、生産用器材の洗浄作業（約2か月）、製品の検品作業（約2週間）、従業員用コンビニエンスストアのスタッフ（約2週間）、金属加工・梱包作業（約2か月）であった。
・本人との面談で、業務量や業務中の態度に関して「やるべきことをはっきりと認識させること」を企図して絞り込みを行い、「3つの約束」として示し、目標を共有した。

勤務中に居眠りをするなどの不調が散見された際には、生活面の指導を踏まえたうえで、勤務時間の短縮提案なども行った。

職場配置を行う前には、本人の障害や行動特性及び留意点などを、総務人事担当から配置先の担当課長に説明をし、担当課長から職場のメンバーに事前周知を図った。

センターのジョブコーチやカウンセラーと連携して、「厳しい指導員役」・「優しい相談者役」などの役割分担を行うことで、本人が相談しやすい環境を作りながら、仕事に向き合う姿勢や生産性の向上に向けた指導・教育を行った。
なお、対象者への指導・教育、担当業務の決定等に際しては、障害特性等を考慮し、節目節目での本人との相談や合意形成を行うとともに、従業員として遵守すべきルール等について具体的に分かりやすい形で提示することとした。