ハローワークの紹介であり、面接にはハローワークの職員が同席。なお、障害者就業・生活支援センター（以下「センター」という。）も支援している。

面接後には、センターのジョブコーチ支援を活用した職場実習を行い、採用となる。採用当初はセンターの支援員が付きっきりで道具の使い方から支援したが、徐々に支援の回数を減らしていき、独り立ちできるように促した。数か月経った頃には、支援員なしでもルーティンワークの清掃業務をこなせるようになった。
当人の業務時間中の連絡用として、業務用携帯電話を持つように勧めるが、機械操作を苦手としているため、所持するまでには至っていない。

採用当時から施設長（採用時は事務長）が直接担当し、現在も継続して担当している。
採用から既に2年半が経過しているが、当初から良好な関係を続けている。

障害の特性上、仕事の段取りを苦手としていたので、センターの支援員からも協力を得て、具体的な本人の能力・特性を踏まえた業務指示の方法を明示したウィークリープラン（下表参照）を作成した。
ウィークリープランに沿って作業を進めることにより問題なく作業が行われるようになった。
また、ここ最近では、ルーティンワークである施設内清掃については、指示がなくとも、自主的に取り組むまでになっている。

ウイークリープラン

作業場面の写真1

作業場面の写真2

作業場面の写真3

通勤距離を考慮し本人の体調や状態に応じて勤務時間を設定しており、現在は9:00～16:00としている。これまでに欠勤はなし。
以前、体調が悪い時に本人から言い出せないこともあったため、体調管理等の重要性を伝えたうえで、不調時には遠慮せずに休むなどの年休取得を勧奨し、その後は申し出て休みを取得している。

休憩、食事については、本人のコミュニケーションが苦手な点を考慮し、専用のスペースを確保した。

本人の能力及び体調や状態に応じ、施設長が毎週作成するウィークリープランに反映させている。
午前中は主に施設内清掃等のルーティンワーク、午後に庭木の剪定や洗車等、季節や用途に合わせた業務としている。

採用時に全職員に対して事務長より対象者の障害特性について説明を行った。
当初は、共有スペースのみの清掃だったが、最近では入居者個人のスペースや部屋の清掃も行うようになり、介護担当の職員との接点もできはじめ、徐々に会話もできるようになってきた。

懇親会等の社内行事にも参加し、他の職員とも和やかな職場の雰囲気が醸成されている。