就労移行支援事業所（以下「支援機関」という。）の利用者であり、同社入社前に支援機関からの約1年半の職場実習を経て、正社員として雇用した。採用面接時には支援機関の職員にも同席を求めて実施した。

職場実習は4名による集団の通所・作業であったが、採用後は単独でのバス通勤・就労となるため、正社員採用の前にトライアル雇用（約1か月半）を実施した。また、保護者とも2回面談し、コミュニケーションの取り方や健康面についての注意事項等を確認した。

業務指導はその都度、現場担当者が行なっている。本人が業務日誌を書くことを希望したため書いてもらい、毎日管理者または現場担当者が確認している。本人や保護者からの相談は、管理者が窓口となって対応している。

はじめは手作業のみで建設機械の清掃・整備をしてもらっていたが、少しずつ機械の使い方を覚え、現在は高圧洗浄機を使いこなして、油圧ショベルや仮設トイレの清掃も行っている。

高圧洗浄機等の使用方法については、現場担当者が手本を示し（OJT）、できるようになるまで何度も指導を行った。

他の社員は8時～17時、土曜・祝日も交代で勤務しているが、本人は職場実習の時と同じ勤務（9時～17時、土曜・祝日は休み）とした。また、自身の体調不良が判らずに働き過ぎてしまうことがあったため、支援機関と相談して、朝夕2回の体温測定をしてから就業させている。

対象者の障害の程度・内容について配属先の社員を対象に説明を実施した。また、対象者は自身の体調不良が判らずに働き過ぎてしまうことがあるため、上司が定期的に休憩を取らせるように指導している。

全社員がマイカー通勤だったこともあり、社員ロッカーの必要性に気付かず、設置していなかった。しかし、本人がバス通勤で着替えをする必要があったため、ロッカーを設置し、着替えるスペースを確保した。このことによって、他の社員についてもロッカーの必要性を認識し、全社員分を設置した。