社員一人ひとりが目標を持ち自立し、社会人として自己実現を目指すためのキャリアを指導・育成する企業
2011年度作成
- 事業所名
- 株式会社レオパレス・スマイル
(平成21年8月3日設立、同年11月株式会社レオパレス21の特例子会社として認定) - 所在地
- 東京都中野区
- 事業内容
- 株式会社レオパレス21及びグループ各社から委託された事務作業等
- 従業員数
- (平成24年1月31日現在) 23名(親会社からの出向者:3名を含む)
- うち障害者数
- 18名
障害 人数 従事業務 視覚障害 聴覚障害 肢体不自由 内部障害 知的障害 18 メーリング業務、発送関連業務、シュレッダー業務、PC関連業務、印刷業務、ゴミ回収業務等 精神障害 - 目次
1. 事業所の概要、障害者雇用の経緯と推移
(1)事業所の概要
① | 会社設立: | 平成21年8月3日、同年11月株式会社レオパレス21の特例子会社として認定(営業開始:平成21年8月) |
② | 企業理念
|
③ | 事業の概要 株式会社レオパレス21及びグループ各社から委託された事務作業等
|
(2)障害者雇用の経緯と推移
- 親会社の株式会社レオパレス21は昭和48年(1973年)の創業以来、業容の拡大を続けてきたが、障害者雇用については法定雇用率を達成していない状況にあった。
- 平成20年に「働く意思と能力を有する障害者に対して、働きがいのある職業生活の場と働くチャンスを与えることは、企業の社会的使命である」と考え、特例子会社を設立する方針が決定され、「特例子会社設立準備室」が設置された。
- 設立に際しては、管轄のハローワークからの指導・協力を得て準備を進め、併せて先輩の特例子会社の見学を行った。
- 平成21年6月に各地域の支援センター、ハローワーク、都立特別支援学校関係者等68名の参加のもと会社設立説明会を開催した。
- 業務内容については、他社を参考にするとともに、親会社からの委託業務としてシュレッダーとメール作業からスタートすることにした。
- 障害者の採用については、ハローワークに求人票を提出し、委託訓練を行って、8名のトライアル雇用者を決定、トライアル雇用を経て、全員社員として採用した。
- 平成21年11月に特例子会社として認定された。
障害者雇用率の推移
会社名 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | ||||
障害者数 | 雇用率 | 障害者数 | 雇用率 | 障害者数 | 雇用率 | 障害者数 | 雇用率 | |
レオパレス21全体 | 143.5 | 1.51 | 160.5 | 1.76 | 149 | 2.10 | 130.5 | 2.13 |
うちレオパレス・スマイル( )内はカウント数 | - | - | 8(11) | - | 16(21) | - | 18(24) | - |
備考:障害者数はカウント数、レオパレス・スマイルは人数とカウント数。
2. 取り組みの内容
(1)障害者の受入体制について
① | 実習の受け入れと採用について
|
(2)職業指導と評価
① | 社員の行動指針 社員の約束5ヵ条(社員の行動指針)を定め、毎朝の朝礼で唱和している。
|
② | 朝礼と終礼
|
③ | 習熟度の評価(詳細については参考資料1参照)
|
④ | 担当業務の配置について 本人特性、上記習熟度を参考に各業務への配置を行っており、更に班間の相互応援体制の強化のために各人の多能化に努めている。 例えば、メール作業に関しては、部署名のテストを2回連続して100点を取ったら合格とし、仕事をスタートさせている。 |
⑤ | 個人別育成方針 就労を継続していくために、または一人の社会人として生活していく上で最大の課題と考えられることについて取り組んでいる(以下は一事例である)。
|
(3)職域開拓・職務設計
会社設立時に開始したシュレッダー、メールの業務を的確に処理することにより、依頼部署からの信頼を得ることに全力で取り組んでいる。その結果、その信頼性が更なる業務受託に繋がっており、設立当初に比べ大幅に業務量が増大している。業務によって繁閑の差が大きいものもあり、社員間の相互応援で対応している。
(4)レオパレス・スマイルが目指す姿
当社は、人材育成の基本を「一人ひとりが自立し、立派な社会人になる」ことを目指している。その目的を達成するためには就労継続が基本と位置付け、職業自立と生活自立に向けた取り組みを積極的に行っている。以下は、会社、保護者、社会(支援機関等)の障害を持つ当事者への期待や役割の構図、具体的な取り組みの事例である。
① | 当事者への期待 : 広い意味で「人として尊重されるようになること」
|
② | 役割 目指す姿を実現するための方策として関係者が就労継続に向けた以下の役割を担っている。 |
③ | 支援体制 支援については関係者との連携を密にし、指導・育成に一貫性を持たせるために以下の会議等を行っている。特に、就労継続を阻害する問題については、会社の問題か、家庭の問題か等、問題の内容を明確にし、継続就労を第一に、関係者が協力して問題の解決に当たっている。
|
④ | 生活自立に向けた取り組み 毎年、障害を持つ社員全員、「私の目標」(生活面等の目標管理)を設定し、日或いは月毎に目標に向けて実施した記録を班長が確認し、指導を行っている。 この活動は、本人が自主的に自分の得意なことを伸ばしたり、興味のあること等をテーマとして決めて行っており、彼らが生き甲斐のある生き生きとした人生を送れることを期待している。
|
事例:「目標:年内に漢字検定2級に合格する。〔1ヶ月に10時間以上の勉強を続けて、年内の合格を目指す〕
*詳細については参考資料2参照
(5)助成金の活用
- ハローワーク関係:特例子会社等設立促進助成金、試行雇用奨励金等
- 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構関係:職業コンサルタントの配置または委嘱助成金(配置)、第1種作業施設設置等助成金等を受給している。
(6)障害者雇用のメリット
① | 会社としての直接的なメリット
|
② | 波及的効果とメリット
|
*参考資料
3. 今後の展望と課題
(1)仕事面
現在、担当している業務の更なる信頼性と能率の向上・班間の相互応援体制の強化により、親会社の評価を高め、新規に導入した大型印刷機を活用した印刷業務、パソコン関係業務の受託等、業容の拡大と障害者雇用の増大を図っていく。
(2)社員の生活面
「将来を見据え、規則正しい、安定した生活を習慣づける」ことを念頭に指導を継続していく。
執筆者:NPO法人障害者就業支援生活開発センターGreen Work21
副理事長 小林 幸夫
副理事長 小林 幸夫
皆さまのお役に立てるホームページにしたいと考えていますので、アンケートへのご協力をお願いします。
なお、事例掲載企業、執筆者等へのお問い合わせや、事例掲載企業の採用情報に関するご質問をいただいても回答できませんので、あらかじめご了承ください。
※アンケートページは、外部サービスとしてユミルリンク株式会社提供のCuenote(R)を使用しております。